きゃしゃーん理学療法士のリハメモ

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気になったことの整理

歩行自立と転倒率について。自立の判断や身体機能以外の注意点について。

本日は歩行自立と転倒率について研究発表も紹介しながら、まとめてみたいと思います。


回復期リハビリテーション学会など、いろいろな学術大会で転倒率に関する研究発表がなされていますね。


いかに、入院患者の転倒を未然に防ぐかは、今後も重要な課題となります。特に回復期病棟では、転倒を予防しつつ活動性を向上させる必要があり、セラピストだけでなく病院全体での意識・取り組みが大事だと思っています。


病院全体の転倒に関する機能評価として、転倒率とゆーものがあります。転倒率とは簡単にゆーと、転倒した患者数/入院患者数で計算されます。


さらに歩行自立患者の転倒率を算出するには、自立後転倒した患者数/自立歩行獲得患者数で計算します。


これによって、歩行自立に移行した患者様が、その後どの程度の割合で転倒しているのか把握できます。


歩行獲得にかかわる理学療法士としてこの歩行自立後の転倒率には一定の水準を維持できるように、考察・対策をしなければなりませんね。

歩行自立後の転倒率について


色々な施設が転倒率を算出し発表されています。特に先行研究としてよく引用されている研究データは13~16%という転倒率だと思います。


実際に、私の病院の転倒率がどのくらいかは把握していなかったので、今後、転倒率の算出に取り組んでみてもいいのかなと考えています。


みなさんの施設では、転倒率の算出をされていますか?施設全体での転倒率の算出が難しいようであれば、セラピスト個人での転倒率を出してもいいかもしれませんね。


そーすれば、先行研究と比べることで自分の自立移行の判断が、一定の水準に達しているか考察できますね。


もしも、転倒率が高いのであれば、どの要素の評価が足りないのか、詰めていくことがまた自分のためになりますね。

歩行自立の判断に際して


歩行自立の決定はみなさんの病院ではどうされるのでしょうか??多くの病院は理学療法士の判断で自立に移行する場合が多いと思います。


中にはカンファレンスなどで、医師・看護師などの他職種で判断する病院もあるかとは思いますが。


では理学療法士は何を基準に歩行自立を判断しているのか??この基準に関しては何も設定されておらず、主に経験則など理学療法士の主観といってもよいのではないでしょうか??

歩行自立と評価スケール


中にはBBSやTUGなどのバランススケールを使用しているセラピストの方もいらっしゃるかもしれませんね。ただあれらのスケールはあくまでバランスを評価するためのスケールであって、歩行自立を判断するためのスケールではありません。


バランススケールを歩行自立の判断に活かせないか?という研究から歩行自立のカットオフ値が算出されたにすぎません。


なので本当に歩行自立を判断するためのスケールというものは私が知る限りありません。病院ごとでゆーと、いろいろなスケールを組み合わせて独自に歩行自立の基準を設けているところもあります。


おもしろい研究を読んだので、紹介させてもらいます。


理学療法士にアンケートをとったところ、95.2%の理学療法士が歩行自立の判断を行っているとのことでした。そのうち、評価バッテリーを使用している理学療法士が22.9%、その他の理学療法士は評価バッテリーを使用せず判断してるとのことです。


私個人もほとんどといってよいほど、自立の判断に評価バッテリーを使用していません。やはり経験則から判断していると思います。


が、セラピスト主観による判断だけで良いのか?と考えると、何かしらの客観的な材料も使用すべきなのかとは思います。


ただ、どうしても既存のバッテリーは歩行の中の一面しか評価できないような感じなんですよね。バランスはもちろんですが、高次脳機能の影響も多大にあると思うので、そのあたりを複合的に判断できるバッテリーがあればなーと思います。


SWWTtest(Stop Walking When Talking test)などやBESTestの項目に二重課題TUGなど歩行と高次脳機能とを組み合わせたものが少しずつ増えてきてはいますが。
BESTestについてはべつの記事にまとめているので参考にしてください。
physicalkun.hatenablog.com


患者の能力以外の影響は??


また、私としては身体機能以外の面が転倒に影響していることもかなり意識しています。


例えば、服薬。抗うつ薬や催眠薬などの中枢神経作用薬を服薬していると、どうしてもふらつきが見られやすくなります。


ポリファーマシー(多剤併用)の記事にも書きましたが、服薬数が多くても転倒のリスクが高くなるとの研究もあります。
ポリファーマシーに関しては以下の記事を参考にしてください。
physicalkun.hatenablog.com


また夜間の排尿回数も、転倒との相関が見られており、自立に移行する際に、その辺りの情報も把握しておかなければなりません。


実際に、日中の転倒より夜間の転倒の方が多いとの研究発表が多く、私自身もそのような印象を持っています。


やはり、服薬や夜間排尿回数などの関係も見逃せないポイントだと思います。


歩行に関しては理学療法士の専門分野です。自立の判断や、もし転倒したとしたら、そこに対しての責任も理学療法士が負うぐらいの気持ちが必要だと思っています。


ただ、身体機能だけではなく、高次脳機能や患者様の内的要素もしっかり把握しなければなりません。そのためには、他のリハスタッフや看護師・薬剤師とも積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。


本日も最後までお付き合いありがとうございました。
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ぜひ参考に、若手・新人理学療法士におすすめの5冊の本・書籍。

本日は私がお世話になっている書籍についてまとめてみたいと思います。


有名なものが多いかもしれませんが、やはりそれだけ優れた書籍だと思います。


今回は、オーソドックスな内容とゆーか、理学療法士の基礎となる内容で優れた書籍を紹介しています。

筋骨格のキネシオロジー


私が学生の時から大変お世話になっている本です。解剖・運動をまとめて勉強でき、よくまとめられていると思います。


図解も多く、内容に伴う研究データも紹介されており、根拠を持って学習することができたかなーと思います。


カパンジーを購入するかで迷いましたが、キネシオロジーを購入しました。カパンジーも図が多く優れた書籍だと思います。


やはり解剖・運動学に関しては、理学療法士たるもの、自分の中の芯になるような良書を一冊持っておきたいですよね。


値段としては安くはありませんが、ずーっと使えることを思えば価値はあると思います。少しでも、分からないことがあるととりあえず確認してます。

アナトミー・トレイン


現在は第3版まで出ています。改版される度に内容の密度が濃くなってきていますねー。


学校では筋肉を個々に分けて勉強することが多いですが、筋肉同士のつながりをしっかり理解することで、治療・発想にも幅が出てくるように思います。


筋膜に対するアプローチが流行っていますが、その走りはこの書籍といってもいいのではないでしょうか?


特に新人理学療法士には、なるべく早い段階でこのような書籍に触れておいて欲しいです。全身の見方が変わってくると思いますよ。

ファッシャル・リリース・テクニック


先程紹介したアナトミー・トレインをどのように治療に発展させるかについて詳しく書かれています。


またボディリーディングは、姿勢観察からどのように筋膜のアプローチに発展させるかの考察が書かれており、非常に参考になります。


それが、全体像だけでなく各関節ごとに詳細に書かれており、よく整理されていると思います。


リリーステクニックだけでなく、解剖の面からも臨床に応用しやすく、今でも重宝しています。


内容的にはアナトミー・トレインとも重なる部分があるため、まずはどちらか一冊を購入してしっかり読み込むことをおすすめします。

観察による歩行分析


歩行分析の基礎になる本ですね。最近、養成校によっては教科書としても使用されているところもありました。


やはり根拠を持った基礎がなければ、その上に積み上げられるものも限界がありますね。


ずーっと使える一冊だと思います。

動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践


基本動作を中心にバイオメカニクスの面からどのように捉え、どのようにアプローチするか、非常に分かりやすく書かれています。


バイオメカニクスと聞くと、少し堅苦しいイメージを持つ方もいるとは思いますが、実際の動作をイメージしやすく書かれているので、読みやすいですよ。


今回はこの5冊を紹介させていただきました。


私が薦めるまでもなく有名な書籍かもしれませんが、少しでも参考にしていただけると嬉しいですね。


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脳卒中後のうつ(PSD)。好発部位や治療法などについて。

本日は脳卒中後のうつ(Post-Stroke Depression:PSD)についてまとめたいと思います。


PSDの言葉自体聞いたことがない方も、いらっしゃるかもしれません。また、言葉自体知っていたとしても、誤解されている方もいらっしゃるかもしれません。ぜひ、最後まで読んでみてください。


PSDとは??


脳卒中発症後のうつをPSDと呼びます。経験的にも意欲の低下した脳卒中高齢者は思い当たるのではないでしょうか??


私自身、そのような患者様を担当しても、脳卒中による後遺症で体が不自由になったために、二次的にうつ状態になったのだと解釈していました。しかし、PSDについて勉強するとそのような単純なケースばかりではないことが分かりました。


脳損傷そのものによる病態生理学的変化の結果、うつ病になるという、脳障害説というものがあるらしいのです。


ある研究によると、発症後の日常生活動作能力の程度とうつ病は必ずしも関係していなかったとの結果も出ているそうです。


脳卒中後遺症の身体機能が原因でのうつ病だけでは、説明がつかない部分もあるそうです。やはり、脳の器質的な障害の影響もあるんですね。

PSDと損傷部位の関係性


一番最初に発表されたものは、左前頭葉に障害があるケースにおいて有意にPSDの頻度が高いことが分かり、前頭葉障害仮説が発表されました。


この発表後から、PSDと脳損傷部位との関係に対しての研究が進んでみたいです。その後、右半球では後頭葉に近い障害でPSDの頻度が高いことも発表されています。


その他にも研究発表はありますがsample sizeなども考慮すると、今のところ有力なものは前頭葉、右後頭葉だと理解してもいいのではないでしょうか??

PSDの発症時期と発症頻度


脳卒中急性期から慢性期を通しての平均発症頻度は33%との研究があり、3人に1人がPSDを発症していることになります。結構な割合じゃないですか??


脳卒中では認知・運動障害、失語、構音障害なども見られるため、なかなか正確な数字は難しいかもしれませんね。


PSDの合併は、死亡率の増加、入院期間の延長、機能回復の遅延、QOLの低下に関連するという報告も見られており、適切な治療が必要とされます。


PSDの発症時期に関しては、脳卒中発症後3~6カ月でうつの頻度や程度が最も高くなり、その後は一度減少し、再び増加することが分かっています。


脳卒中発症後3~6カ月後のPSDは、脳の器質的な要因が強いと考えられており、その後の慢性期でのPSDは脳卒中後遺症に対する心因性が関連すると考えられています。


ちょうど回復期病棟でのリハビリを行っている時期に、PSDの発症頻度が高くなっており、回復期で働くセラピストとして正確な知識を持っていなければなりませんね。


PSDに対する適切な抗うつ薬治療によって、ADLや認知機能が改善され、生存率までも改善することが示されています。

PSDに対する治療方法


まずは早期発見が重要となります。PSDの初期症状としてよく見られるものに、頭痛・めまい・しびれ・不眠・倦怠感などの自覚症状の出現です。


すくなからず、高齢者であったり、麻痺などがあると聞かれやすい主訴ではありますが、PSDの可能性も念頭に傾聴することが大事だと思います。


治療としては、一般的には薬物療法が行われます。その他にも認知療法音楽療法なども提唱されてはいます。


薬物療法では、抗うつ薬が選択されることが多いですが、通常のうつと違いPSDは抗うつ薬の効果が効きにくい傾向があり、また副作用も出やすいとゆわれています。


副作用として、せん妄状態が見られたり、パーキンソン症候群などが見られることがあります。PSDの治療が始まった際は、注意が必要ですね。


以上がPSDに対するまとめです。理学療法士は身体機能ばかりに目が向きがちですが、精神面に対する勉強やフォローも必要ですね。PSDと混合されやすいアパシーについても近々まとめたいと思います。



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日本糖尿病療養指導士の資格取得の詳細について理学療法士の給料・キャリアアップの参考に。

本日は日本糖尿病療養指導士についてまとめていきたいと思います。キャリアアップを図りたい方は参考にしてみてください。


理学療法士としても糖尿病患者に接する機会はたくさんあると思います。糖尿病によって術創の治癒が遅延するケースがあったり、足底の感覚障害が動作に影響したり、足部病変があったり、、、


個人的には、知っているようでまだまだ知らないことがたくさんある糖尿病です。


特に足病変に関するものは、しっかり勉強してまたまとめたいと思います。足関節や足趾の可動域制限も結構見られる方が多いですよね。


日本糖尿病療養指導士とは??

糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を持ち、医師の指示の下で患者に療養指導できるスタッフの育成を目的に作られた資格ですね。


糖尿病療養指導士として認定されることは、糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートであることを意味します。


資格を取得するための条件とは??


①看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師理学療法士のいずれかの資格を有していること。


② ⅰ)日本糖尿病学会専門医、または日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診療・療養指導に従事いている医師から糖尿病に関して指導を受けていること。
  Ⅱ)外来で糖尿病患者の診察が恒常的に行われていること。
  Ⅲ)糖尿病の患者の教育、食事指導が恒常的に行われていること。


上記の3つの条件を満たす医療施設で2年間以上継続して勤務し、療養指導を行っていること。

③糖尿病療養指導に関しての自験例が10例以上あること。

④本機構が開催する講習会を受講し、受講修了証を取得していること


以上の4つを満たせば資格試験を受講できます。

合格率はどのくらい??


試験内容は、マークシート150問。また受験申請時に、糖尿病療養指導自験例の記録を10症例も提出し、その資料も合格判定に使用されるそうです。


合格率は全職種の平均が80%前後を推移しています。職種別に見た理学療法士の合格率は平均よりやや上の合格率ですね。

資格取得者の割合は??

現在のデータによると理学療法士の取得者数は1083人となっています。


看護師・管理栄養士の人数がそれぞれ8895人、4585人となっており、それに比べるとまだ人数は少ないですね。


ここ5年間の受験者数もだいたい150~200人程度を推移しています。


リハの対象患者患者に糖尿病の基礎疾患がある患者はたくさんいますが、糖尿病だけの診断ではリハビリの対象とはなりませんからね。この点が取得につながりにくいのかもしれません。


逆にいえば、他のセラピストとの有意差を出すチャンスかもしれませんが。

取得・維持に必要な費用は??


試験の受験料が20.000円。試験会場は全国7会場あります。講習の受講料が30.000円。



5年ごとに更新する必要があり、更新にかかる審査料として10.000円が必要です。


運動療法スペシャリストとして、糖尿病患者に生活指導・運動指導が専門性をもってできれば、キャリアアップにつながるかもしれませんね。



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将来のために理学療法士が知っておくべき2042(2040)年問題。人口、医療はどうなっている??

本日は2042年問題についてまとめたいと思います。


以前2025年問題についてまとめた記事もあるので、そちらも興味があればよろしくお願いします。
physicalkun.hatenablog.com


さて本日の2042年問題、、、正直あまり真剣に考えたくないほど、理学療法士にとっては深刻な問題かもしれません。


が、将来の展望をしっかりと直視することで、理学療法士としての質をどう上げていくか、、常にこれを考えるきっかけになると思います。

2042(2040)年の日本はどうなっているか??


現状のまま、時が進むと日本は2042年には一体どうなっているのでしょうか??


2025年には、団塊の世代が75歳以上となり、高齢者の人口が3.657万人に達すると見込まれています。


その後も、高齢者人口は増加を続け、2042年にさらに3.878万人となると予想されています。


ただ、2042年が高齢者人口のピークとゆわれており、その後は徐々に減少に転じるとの推計です。


高齢化率で考えた場合は、総人口は減少する中で高齢者が増加することにより、高齢化率は上昇していきます。


2035年には33.4%で3人に1人が高齢者です。2042年が高齢者人口のピークですが、出生率の低下により、総人口に対する高齢者の割合は増え続けます。


2060年には39.9%に達して、国民の2.5人に1人が65歳以上の社会が予想されています。本当に超超超高齢化社会ですねー、ちょっと想像できません。


遠い未来のようですが、現状のまま進めばこのような社会が待ち受けています。


特に今回のテーマの2042年以降が問題ですね。私たち理学療法士の対象の多くは高齢者です。


小児やスポーツ分野などもありますが、メインは高齢者です。今後、介護予防などでも新たな職域の拡大が図れると良いですが。


その対象である高齢者が2042年以降は減少していく時代が来るんです。理学療法士は今現在ぐんぐん増えてるんですけどねー。


理学療法士は今や年間に1万人近くが国家試験に合格してますからねー。今後どのように調整するのかは考えていただきたいですが。


今はまだ需要と供給のバランスが取れてるとは思いますが、需要がなくなれば当然リストラ等が出てくるでしょうね。


現在、まだまだ医師不足が問題となっていますが、その医師でさえ、今後過剰供給となるとの報告が、厚生労働省からされています。


推計によると、2033年頃に需要と供給が均衡し、それ以降は医師過剰になるとの見込みだそうです。


2042年。今から25年後です。理学療法士の年齢分布を見ると、25〜30歳が一番割合が多いです。となると、25年後は、50〜55歳。


自分の50〜55歳を想像してみてください。一般的に考えると、結婚して子供が大学生頃といった家庭が多いでしょうか??


なかなか昇給がない中でも、少しずつ上がったお給料を貰っているでしょうか。


おそらく、2042年頃は定年は65歳ぐらいか、もしかしたらもう少し上かもしれませんね。年金受給のタイミングも今より遅くなっているでしょう。


まだまだしっかり働かなきゃいけない中で、いかに自分に付加価値を見出せているか。病院・施設に必要な人材になっているか、、、


いずれ来るであろうこのような事態を想定して、危機感を持って働けているか、自分をマネジメントする意識があるか。


将来、明暗を分けるかもしれませんね。お互いに頑張りましょう!


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フレイルの意味や定義について。サルコペニアとの違いは何か??

本日は、フレイルについてまとめたいと思います。似たような言葉にサルコペニアとゆーものもありますが、フレイルとサルコペニアとの違いについてもまとめてみたいと思います。


サルコペニアに関しては以前まとめた記事もありますので良ければ参考にしてください。
physicalkun.hatenablog.com


近年、高齢者数の増加に伴い、高齢者の健康寿命を延ばすための取り組みが重要視されてきています。その中で、フレイルやサルコペニアなど、高齢者の身体的特徴等を理解することで、より効率良く、効果的に健康寿命へのアプローチが可能になるのではと思います。


運動療法スペシャリストの理学療法士として、どのような高齢者が要介護状態に陥りやすいのか、どのようなアプローチが有効なのか、このあたりの知識を身につける必要があると思っています。

フレイルとは??


臨床的には以前から、脆弱な高齢者を表現する言葉として使用されていた用語でしたが、学術的に詳細な定義は決められていませんでした。


2004年ち2006年に行われた「フレイルと加齢に関する国際会議」では、

フレイルとは相互に関連する複数の生理系を調節する恒常性維持機構の衰えのため、些細なストレスにより障害を受けやすい脆弱な状態

と表現されることになりました。



う~ん、正直めっちゃ分かりにくい、、。ゆわんとしていることは分かりますがね、本当にこの概念を普及させたいのであれば、もう少しシンプルな定義にしてもよかったような気もします。


フレイルの位置づけとしては、機能障害に至る前段階、つまり要介護状態に至る前段階としてとらえることができます。

フレイルの診断基準は??


これまでの研究からフレイルの指標についてさまざまな尺度や評価方法が提唱されています。移動能力、筋力、認知機能、栄養状態、バランス能力、持久力、身体活動性、社会性などの構成要素を評価する場合が多いです。


この点から見ても、サルコペニアとの違いが見られますよね。サルコペニアの診断基準は、筋肉量低下(周径)+筋力低下(握力)or身体機能低下(歩行速度)が診断基準とされています。


あくまで、対象者の身体機能を中心に評価しているとゆえると思います。一方、フレイルに関しては、身体機能に関してもさら幅をもって評価する点と、その他に認知機能や社会性など、より一人の人格として評価する点が特徴だと思います。


閉じこもり症候群など、社会性が乏しいと身体機能の低下は容易に予測できますもんね。


現在、よく使用されているFriedが提唱しているものでしょうか。

項目 指標の例
体重減少 半年間で2-3kg以上の体重減少
疲労感 ここ2週間でわけもなく疲れたと感じることがある
活動量の低下 散歩などの運動を週一回以上していない
歩行速度の低下 以前に比べて歩行速度が低下したと思う
筋力低下 握力測定 男性<26kg 女性<18kg

上記の項目のうち、3項目当てはまればフレイル。1~2項目であればプレフレイルと診断するそうです。


他の評価方法に比べ簡単で分かりやすいですが、身体機能メインなのが少しもったいないように思います。


その他に、基本チェックリストを用いることも有効とされてきています。


基本チェックリストとは、2006年の介護保険制度の改定の際に、近い将来介護が必要になる高齢者を抽出するスクリーニング法として、厚生労働省が開発したものです。


生活機能状態を尋ねる25個の質問からなり、はい・いいえで回答するものです。質問項目は、①IADL、②身体機能、③栄養状態、④口腔機能、⑤閉じこもり、⑥認知機能、⑦気分の7つの領域にわたります。10~15分で評価でき、外来の待ち時間に実施することも可能です。


日本独自のものなので、そのままの形では国際比較には適さないですが、今後、これをベースに新たな指標の作成が期待されます。Friedの基準と比較すると、身体機能だけでなく、幅広い評価項目が設定されていますね。

フレイルの予防と対処法は??


介入として有効なものに運動介入と栄養介入が挙げられています。


運動介入に関しては、色々な研究が挙げられていますが、重要なのは1週間に複数回の運動を継続して行うとゆー点でしょうか。当たり前といえば当たり前ですがね。運動の頻度や強度は研究によって様々ですが。


いかに対象者に動機づけして、運動参加を促すか。このあたりも理学療法士としての技量の見せどころかもしれませんね。私自身も、年数回程度ですが、地域に出て高齢者を対象に運動指導を行うことがあります。


やはり最初は運動参加への動機づけにかなりの時間をとっています。いかに運動することが大事なのか、継続することが大事なのか。それを理論的に、でも分かりやすく説明することを心掛けています。


また実際に、継続することで身体機能が良くなった高齢者の方の動画も使用しています。運動前はよろよろしながら歩かれていた方が、数か月後こんなに歩けるようになりました!って感じで見せると、かなり反応が良いですね。私の下手な冗談なんかより、動画を見せた時が一番反応が良いです。



栄養介入に関しては、特にたんぱく質の摂取の重要性ですね。以前別の記事でも説明しましたBCAAなどの有効性が発表されています。
BCAAに関してはこちらの記事を読んでみてください。
physicalkun.hatenablog.com


なかなか高齢者の方に、そこまで具体的な栄養指導はできないので、私はBCAAが多く含まれている食材を紹介して、運動に参加した日は特にしっかりこれらの食材を献立にしてもらうようにお願いしています。


以上がフレイルについてのまとめになります。最後らへんに、地域での運動指導の話を出しましたが、書いていて久しぶりに運動指導に行きたくなってきましたねー。病院にいるだけでは得られない体験です。病院では1対1でリハビリすることが基本ですが、地域では1対30なんて形もあります。


最初はそのような環境に戸惑い緊張しました(今でも緊張します)が、終わってみると結構楽しくて充実感があるんですよねー。少しでも、健康寿命の延長に貢献できたか、社会に貢献できたか、地域に出るとより広い視野で自分の仕事を評価できる気がします。


もし地域での運動指導の話が病院にあるようでしたら、参加してみてはいかがでしょうか??良い刺激になると思いますよ。



本日も最後までお付き合いありがとうございました。
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認知症ケア専門士の資格取得の詳細。理学療法士の給料・キャリアアップの参考に。

本日は認知症ケア専門士についてまとめたいと思います。


以前、MCI(軽度認知障害)の記事でも触れましたが、認知症認知症予備軍(MCI)を合わせると、日本には800万人いると推測されています。


MCIについて興味のある方はこちらの記事もお願いします。
physicalkun.hatenablog.com


今後も、総人口に対しての認知症患者の割合はどんどん増加していくものと予想されており、しっかりと知識を持ったスペシャリストの養成が必要です。


自治体としても認知症サポーターやキャラバンメイトなどいろいろと力を入れてきています。


平成28年度の診療報酬改定で認知症ケア加算も新設されるなど、今後も認知症に関する動向は注視する必要がありますね。

認知症ケア専門士とは??


日本認知症ケア学会が制度認定を行っている資格です。


認知症ケアに対する優れた学識と高度の技能、および倫理観を備えた専門技術士を養成し,わが国における認知症ケア技術の向上ならびに保健・福祉に貢献することを目的に作られたものです。


制度は平成15年からスタートされており、私が想像していたより昔から認定制度が作られていたんですね。

資格取得の条件は??


試験受験予定の過去10年間に3年以上の認知症ケアの実務経験を有するもの。
 ※実務経験を証明する施設は認知症専門でなくてもよいそうです。


看護師や介護福祉士など、特に資格取得に関する条件はないみたいです。

合格率は??試験内容は??


試験は①認知症ケアの基礎、②認知症ケアの実際I:総論、③認知症ケアの実際II:各論、④認知症ケアにおける社会資源の4分野に分かれています。


各分野50問のマークシート方式で試験時間は1時間となっています。もちろん休憩はありますが、全部で4時間。なかなか集中力が必要ですねー。


各分野70%以上の正解率が必要で、4分野すべて合格すると二次試験の受験資格が得られます。


二次試験は論述問題と面接に分かれています。論述は認定委員会から自宅に郵送される事例に対して論述し、委員会に提出。


その後、面接の運びとなっています。面接は6人1グループで、当日発表されたテーマに関して一人1分のスピーチと20分間のディスカッションで判定されるそうです。


想像するとこちらまで緊張してしまいます。あがり症の私はこーゆーの苦手です。


二次試験に合格するとはれて合格となるわけです。合格率はだいたい50%前後を推移していますね。


資格取得者の割合は??


介護福祉士が圧倒的に多いですね、次いでケアマネージャが目立ちます。リハ職の中では作業療法士が多いですが、理学療法士の取得も見られます。


またホームページから各都道府県の資格取得者と任意で所属している施設が一緒に見ることができます。


私の病院でひそかに取得している人がいるのかチェックしましたが、残念ながらおりませんでした。


ただ、近隣の認知症ケアに力を入れているような病院の取得者はかなりいました。

資格取得・維持にかかる費用は??


さて費用の面ですが、一次試験の受験料が1分野につき3000円かかりますので、12.000円。二次試験は8.000円。


試験会場は一次試験は、札幌,仙台,東京,名古屋,京都,小倉(福岡)からの選択、二次試験は札幌,仙台,東京,名古屋,神戸,博多(福岡)からの選択となり、交通費が必要となります。


認定委員会が出している公式テキストが5冊あり、全部で10.000円ほどかかります。また受験の手引きと願書を兼ねたものの購入に1.000円かかります。


5年ごとに更新する必要があり、所定の単位を取得する必要があり、更新費用に関しての記述は見当たりませんでした。


この制度にはさらに上級認知症ケア専門士などのステップアップも用意されています。


少しでも認知症ケアに興味のある方の参考になれば幸いです。



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