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ポリファーマシー(多剤併用)の定義とは?転倒など理学療法士が知っておくリハビリへの影響

本日はポリファーマシーについてまとめたいと思います。

2016年に診療報酬にポリファーマシーに関しての加算が新たに新設されたことや、残薬の問題も社会的に注目されてきています。

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理学療法士としても、知っておくべき内容が含まれていると思うので、その点について述べていきます。

ポリファーマシーとは?定義とは??


日本語でゆーと、多剤併用や多剤処方などとゆわれていますね。つまり、一人の患者がたくさんの種類の薬を服薬していることがあまり良くない結果をもたらしているんじゃないか??とゆー問題です。


ポリファーマシーの定義については実際はまだそこまで細かく決まっていません。何種類以上飲んでいれば、ポリファーマシーなのか。それとも薬による有害事象が出ている状態をポリファーマシーとするのか。


ただ、5種類以上服薬していると転倒のリスクが上がることが研究で分かっている点。


6種類以上服薬していると、有害事象が出現する割合が増えるとの研究。


これらから5~6種類以上服薬している場合をポリファーマシーと指すことが多いように思います。

ポリファーマシーが生まれる背景


高齢者の方は、複数疾患を罹患することが多いため、どうしても服薬種類が多くなります。ご家族の方も改めてチェックしてみてください。


報告によると、複数の医療機関から10種類以上の薬を処方してもらっている患者さんは、前期高齢者で11.7%、後期高齢者で27.3%となっています。


ときどき、食前の薬だけでお腹いっぱいになるわーーとゆわれる高齢者あるあるを聞くことがありますが、こうして数字で見ると笑い事ではありませんね。


10種類も処方され、適切に服薬管理できているのかも怪しい気がします。これが残薬にもつながっているのでしょうが。


そして、有害事象が出てくるため、その症状を抑えるためまた新たな薬が処方される、、、負の連鎖ですね。




転倒などリハビリに与える影響


先ほど5種類以上の服薬が転倒のリスクを上げることはお伝えしました。


その他にも報告によると有害事象による意識障害や低血糖が700名のうち9.8%に存在し、低血圧が4.8%に及んでいました。


また、リハ栄養の観点からの有害事象として、便秘・下痢・腹痛が3.8%。食欲不振・吐き気も3.8%の割合で存在したとの報告があります。


食事摂取量の伸びが悪かったり、摂取してもしっかりと栄養が吸収されなければ、意味がありません。


薬剤に関しては医師や薬剤師が主ではありますが、リハ職としても患者様の状態を踏まえて減薬を進言してもいいかもしれませんね。


実際当院の患者様で、多病院からの転院でしたが9種類服薬している頸部骨折の術後の方がいらっしゃいました。


たしかBMIも15未満のやせ細った患者様でしたが、意識ももうろうとしており、食事の入りも全くだめでした。


服薬を必要最低限の3種類だったかなー、かなりばっさり減薬したら意識状態も改善し、食事摂取量も徐々に伸びていきました。


あのような症例を見ると薬のおそろしさを改めて感じますね。


本日も最後までお付き合いありがとうございました。