リハスタ

   理学療法士による知っとくとためになる情報発信

中国ブロック理学療法士学会に参加してきました

少し遠方でしたが、先輩と後輩と一緒に足をのばして第31回中国ブロック理学療法士学会に参加してきました。


2日間の開催でしたので、近辺に宿泊も考えましたが、後輩君が頑張って運転してくれるとのことなので、助かりました。


学会のテーマは「分科」と「包括」でした。


最近の理学療法士協会の活動として、分科学会の立ち上げにより、今まで以上に専門性のスキルをあげるような活動が思い浮かびます。


一方、包括で思い浮かぶものは、地域包括ケアシステムでしょうか。地域に出ていく上では、あらゆる領域で一定以上の知識が求められると思います。


介護保険分野の知識、内部障害、栄養状態、薬学などなど。この、専門性の高いスペシャリストと、知識の幅の広いジェネラリストとのバランスについて改めて考えるきっかけとなりました。


私なりに感じたことや、印象に残ったことをまとめたいと思います。

最先端健康立国


開会にあたり、国会議員である小川先生と山口先生のあいさつがありました。


特に山口先生のあいさつの中で、「最先端健康立国」と度々話されていた「世界標準、それ以上」。この二つが印象に残りました。


日本は他の諸外国に類をみないスピードで高齢化が進んでおり、高齢化の壁に一番最初にぶち当たっていますよね。


今後、他国も同様の壁にぶち当たるとは思いますが、今の日本の取り組み・行動に注目が集まっていると思います。


その中で、日本は最先端健康立国を目指すというものでした。理学療法士にかかる責任・期待に応えられるようなセラピストになりたいですね。


最先端健康立国という言葉自体、あまり聞きなれないので、帰ってネットで検索しますと、、、内閣府が出している、「日本再興戦略2016」のプロジェクトの中に最先端の健康立国というワードが入っていました。


理学療法士としてより社会に貢献できるといいですよね。


そして、何度も出ていた「世界標準、それ以上」。アジアのリーダーとして、理学療法士のレベルを「世界標準、それ以上」を目標に頑張りましょうということでした。

分科と包括


分科と包括についてのシンポジウムも開かれていました。シンポジストには岩田健太郎先生、高橋真先生、吉田俊之先生でした。それぞれの分野から考える文化と包括についての話があり、フロアからも色々な意見が出て、盛り上がったように思います。


私は、ポスター発表を聞きに行った後で、途中から聴講したので、すべての話は聞けれませんでした。


途中からの理解では、卒前・卒後教育の見直しが重要。教員も含めて、自分の専門分野以外での関わりを持つことで、学生に落とし込む。


私が聞いた情報では、指定規則の改変により、臨床実習で生活期の実習も今後力を入れていくような話も聞いたことがあります。


医師にも研修医制度があるように、理学療法士にももう少し卒前・卒後教育の中に、視野を大きく持てるような方法があるといいのでしょうね。


フロアからある大学の先生の意見で、「リハビリテーションの枠から外れることを考えている。」のような意見が聞かれました。


なかなかその先生の真意までは読み取れませんでしたが、私なりの解釈では、リハビリテーションにとどまらず、より一人の患者のパーソナリティに目を向けることが大事ということなのかと思いました。


とりあえず、視野を広げることに関しての重要性はひしひしと感じることができました。




キャズム理論


あと、個人的におもしろかったのが、キャズム理論です。学会長の基調講演の中で出てきた話ですが。


マーケティング業界で使用される言葉のようですが、何か新しい商品を販売した際に、商品の普及に関して13.5%以上で大きな溝(壁)があるという話でした。
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これはマーケティングに関わらず、分科学会への登録者数もPT協会の人数からみると13.5%前後だったそうです。


何か新しいことを導入すると、それにすぐに同調する人(イノベーター、アーリーアダプター)、周りの反応を見ながら同調する人(アーリーマジョリティ)、さらに遅れて同調する人(レイトマジョリティ)、同調しない人(ラガード)。


確かに、実際の業務に関してもそれに近い印象はありますね。


いかにキャズム理論の13.5%を超えて浸透させていくか、なかなかおもしろい理論だなーと思いました。

研究発表


ポスター・口述発表など全部で85題あったそうです。私も興味があるものを会場をちょろちょろしながら聞いて回りました。


改めて学会に参加すると、発表者の方の努力に頭が上がりませんね~。みなさん業務でお忙しい中、+アルファで研究発表まで行っていて。


しかも、発表・質疑応答含めてもおよそ10分程度。研究にかかった時間は膨大でしょうが、日の目を浴びるのは約10分。


もちろん、その後の発展もあるとは思います。私も今、研究に向けてデータ収集している最中ですが、病院からのバックアップがもう少しほしいです。

学会に参加して


久しぶりに学会に参加しましたが、疲れましたがいい疲労感といった感じです。一緒に参加した後輩も、発表に関して意欲的になってくれたようで、定期的にリハビリテーション部からどこかの学会で発表ができるような雰囲気に持っていけたらなーと思います。


あとは、もう少し統計についての理解を深めたいと思いました、、、。統計についての議論にはちんぷんかんぷんでした、、、。


本日も最後までお付き合いありがとうございました。