人事考課制度を病院(リハビリ)で導入するのはプラスかマイナスか?
最近、一般企業だけでなく病院においても人事考課制度を導入している病院が増えているようです。
あるアンケートによると、人事考課を導入している病院は76%との結果も読んだことがあるので、私が想像していた以上に、人事考課制度が取り入れられているのだと驚きました。
私の病院では、看護部においては人事考課制度が導入されているような話は聞いたことがあるのですが、給与にどの程度連動しているのかまでは聞いたことがなく、正直未知数です。
ただ、リハビリ業界でもセラピストの2極化が問題視されている中で、努力しているセラピストが報われるような形をとらなければ、優秀な人材を固定できず、リハビリテーション部の質もなかなかレベルアップできないのが現状だと思います。
個人レベルでは以前から人事考課制度は少し頭にあったのですが、最近、特に必要性を感じることがあったので調べてみました。
人事考課制度導入となると、スタッフからはネガティブな意見が出そうですが、興味のある方は参考にしてください。
そもそも人事考課制度とは??
日本は、年齢・勤続年数といった年功序列型の人事管理が行われてきました。今でもまだまだその風潮はあると思いますが。
そうではなく、職員の能力で把握し、その能力の積極的な開発・育成と活用とを通して公正な処遇を図っていこうという考えのようです。企業からすれば、職員のモチベーションアップによる業績の向上が図れるメリットもあります。
また頑張った人には手厚く、そうでない人にはそれなりの対応が取れるため、場合によっては人件費コストダウンも可能かもしれません。
ネットでも人事考課制度には否定的な意見が多く見られるので、結果的に人件費コストダウンするケースが多いのかもしれません。
となると、企業の経営者側からすると人事考課制度は良いことづくめなのかもしれませんね。
人事考課の目的
さきほどの内容と少し重なるかもしれませんが、人事考課の目的としてきれいにまとめた内容があったので載せてみます。
①職員各人の業績や意欲・能力等を正しく評価することによってモラルを高め、勤労意欲の向上と職務能率の向上を図る。
②考課の実施を通じて、評定者である管理者としての管理能力の開発・向上を図る。
③職員各人が担当する職務や能力を把握することによって、自己啓発や自己向上のための指針にする。
④公正な人事管理を実現していくための基礎資料として情報を収集し、職員の個々の能力を向上させる。
なるほどとは思いますね。
医療業界での人事考課制度
冒頭でも述べましたが、病院でも76%が導入しているようです。アンケートの病院数は163件です。
導入していない病院のうち20%が今後導入の予定ありとのことで、やはり導入していく流れが多いのかもしれません。
ただ、少し気になったのが人事考課を導入している病院のうち、賃金制度と連動している病院が75%らしいです。つまり、人事考課はあるのはあるが、給料に反映していない病院が1/4あるということですね。
ここに、人事考課制度の難しさが見えますね。
人事考課の制度自体の基準・公平性・透明性も必要ですし、人事考課する側の人材育成も必要となりますもんね。
目標管理制度と等級制度
病院で使用される評価基準として、目標管理制と等級制度があります。
目標管理制度は、日本の一般企業の約70%がこの制度を利用していると言われています。この目標とはまず自分自身で設定し、管理者とその目標設定に対して話し合い、最終決定します。
そして一定期間が経過したのち、その目標に対しての達成度を評価することになります。
セラピストで意識すると、一日の平均単位数なんかがイメージしやすいでしょうか?達成できていれば給与や賞与に反映される感じです。
等級制度は、従業員をその能力・職務・役割などによって区分・序列化し、業務を遂行する際の権限や責任、さらには処遇などの根拠となる制度です。
等級によって給与が変わるため、比較的分かりやすく、導入しやすい印象があります。
導入にあたっては、各等級ごとの差を明確にすることが重要でしょうね。公務員の給料も確か等級制度を用いていたような気がします。
明確な基準さえ打ち出せれば、セラピストがそのレベルに達しているかの判断を行うだけなので、ある程度の透明性・公平性があるように思います。
以上が簡単な人事考課の概略になります。
頭の中で思い浮かべるのと、導入とではもちろん大きく違うのでしょうが、優秀な人材確保や努力が報われる環境を作るためには、資格手当の充実や人事考課による給与連動が欲しいところです。
本日も最後までお付き合いありがとうございました。