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新制度の認定理学療法士の取得・更新について。更新のハードルが上がっていた!

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導入が延期されていた新生涯学習制度


何気なく確認していると、認定理学療法士の取得・更新の要件にかなり変更があったのでまとめました。


特に、更新の要件が少しハードルが高くなっているので注意が必要です。

登録理学療法士の取得が前提

認定理学療法士を取得するには、まず登録理学療法士を取得する必要があります


登録理学療法士が基盤にあり、さらなるキャリアアップを目指す場合に、認定・専門理学療法士の取得を目指してください、という形ですね。認定・専門理学療法士は上位資格になるわけです。


ただし、認定理学療法士と専門理学療法士は並列の扱い。


登録理学療法士を取得するには、前期研修として座学22コマ(33時間)、実地研修32コマ(48時間)。後期研修として座学51コマ(76.5時間)、実地研修3年が必要になります。

認定理学療法士の要件①指定研修

協会が定める12のテーマを受講する必要があります。1テーマにつき90分なので、合計18時間を要します。eラーニングのみとなります。


テーマは以下のような内容になっています。
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「臨床」というよりは、医療人に向けた内容という感じですね。最後に、突然「足病変予防の理学療法」が放り込まれていますが。




認定理学療法士の要件②臨床認定・必須

ここからは取得したい認定理学療法士の分野ごとにカリキュラムが分かれており、各分野それぞれ15のテーマが用意されているので受講する必要があります。


例えば、脳卒中認定理学療法士であれば、以下のような内容です。これも1テーマにつき90分なので、合計22.5時間かかります。eラーニングor対面で受講可能です。

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認定理学療法士の要件③臨床認定・選択

さきほどの15のテーマとは別に、各分野8のテーマが用意されているのでその中から5つ以上選択して受講します。


脳卒中認定理学療法士であれば以下のような内容です。これも1テーマ90分で、eラーニングor対面となります。

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認定理学療法士の要件④学術研修大会

日本理学療法学術研修大会への参加が必要です。研修形式は「対面」とされています。コロナ終息後を想定していると思われるので、現地参加する必要があります。


ちなみに2022年は富山で開催予定で7/9・10の日程となっています。

認定理学療法士の取得⑤認定試験

①~④の条件を満たせば認定試験を受けることができ、合格すれば晴れて認定理学療法士の資格がもらえます。


以前までは10症例分の症例報告レポートも要件に入っていましたが、新生涯学習制度移行後は要件に入っていないようですね。まぁおそらくチェックする側の負担も相当大きかったと思うので、廃止になったんだと思います。


合格率は現行制度上では各分野にもよりますが、だいたい80~90%前後といったところだと思います。


新生涯学習制度に移行した際に、難易度をどのように調整されるかはまだ未定ですね。希少価値を上げるといっているので、もしかしたら少し合格率は下がってくるかもしれません。

認定理学療法士の更新

①下記のいずれかの活動を1つ行うこと
 ・都道府県理学療法士会学術雑誌への投稿(筆頭著者に限る)
 ・ブロック主催学会での一般発表の筆頭演者
 ・都道府県理学療法士学会での一般発表の筆頭演者


②維持・研鑽のための活動における100点の取得
詳細はかなり細かいので協会HPで確認してください。


③更新時研修
集合研修で1日程度、またeラーニングでの受講も検討しているようです。


一番ネックなのは、①の学術誌への投稿、もしくは学会発表じゃないですかね。


5年に1回なので十分な準備期間はとれるとは思いますが、正直そういった活動が苦手な方も一定数いると思います。やってみれば意外とたいしたことないですが、やるまでのハードルが高いですよね。


職場の理解も多少必要なのと、指導してくれるスタッフがいるかどうかも重要になってくるように思います。


ちなみに6回目以降の更新要件は緩和することを検討されているようですが、まだ詳細は不明です。でも5年おきに更新で6回目以降て、、、30年後の更新、、、。PTやっとるかどうかもあやしい。


認定理学療法士の取得を考えている方も大勢いると思いますが、取得までの要件だけでなく更新のために何が必要かもしっかり把握しておいた方が良さそうです。