予防理学療法分野の今後。PT協会が総額1億円の研究助成の公募。
理学療法士協会が予防分野に対しての研究助成の公募をしていますね。
助成金額がなんと、、、総額1億円!!!
採択する研究課題数が上限5件を程度を考えているようなので、単純計算で1件あたり2千万円あたりの助成金となりますね。
1件あたりの助成金の助言も場合によっては5千万円まで設定可能としているようで、かなり予防分野の確立に対して力を入れてきてますね。
公募の背景に2025年問題における社会保障費の抑制を掲げてはいますが、それにしては今からこのような公募をするのは少し後手後手のような印象もありますけどね。
2025年問題のまとめです。
physicalkun.hatenablog.com
さらにその先もまとめてみた2042年問題です。興味があれば参考に。
physicalkun.hatenablog.com
まぁ金額が金額なので、公募に至る過程も複雑な流れがあったのだとは思います。
本日は、この研究助成の内容を簡単にまとめて、理学療法士協会の予防に対する考えを理解しておきたいと思います。
研究助成の分野は??
予防理学療法の確立を目的とした大規模臨床研究に対する研究助成の公募です。
研究期間は原則2事業年度らしいですが、1事業年度でも可能らしいです。
研究組織の中に、医療経済学の専門家を少なくとも1人含むことも条件とされています。
具体的なテーマは??
予防理学療法分野の中で、具体的な3つのテーマを掲げています。
研究テーマ 1:健康寿命の延伸(生活習慣病等の発生・増悪予防)に関する予防理学療法
運動療法を主とした理学療法を通じた健康寿命の延伸をテーマ。
生活習慣病等の発生・増悪予防といった健康寿命の延伸を阻害する疾患や障害等に対する標準化された理学療法プログラムの確立。ならびに、理学療法が社会保障費抑制に及ぼす影響を検討する研究
研究テーマ 2:転倒に関する予防理学療法
運動療法を主とした理学療法を通じた転倒予防や転倒に関連する身体的要因等の解明をテーマ。
転倒を予防するための標準化された理学療法プログラムの確立。ならびに、理学療法が社会保障費抑制に及ぼす影響を検討する研究
研究テーマ 3:要介護状態の発生・増悪に関する予防理学療法
運動療法を主とした理学療法を通じた要介護状態の発生や増悪予防をテーマ。
認知症など要介護状態の発生や増悪に関連する要因に対する標準化された理学療法プログラムの確立。ならびに、理学療法が社会保障費抑制に及ぼす影響を検討する研究
ん~、私も地域に出て地域在住の高齢者に対して運動指導をすることがありますが、なかなかどのテーマも興味深いテーマだと思います。
特に、テーマ2の転倒予防に関しては、予防理学療法だけでなく、病棟での転倒予防にも活かせるかもしれませんね。
注意点として、すべてのテーマにおいて、outcome指標の1つに医療経済学的指標を含むことが条件付けられています。
また、大規模臨床研究なので、他施設共同による無作為化対象試験、または、地方自治体と連携した大規模集団を対象とした横断的・縦断的調査がのぞましいとされています。
公募を見た感想
まず思ったことは、やはり公募するタイミングが遅いことでしょうか。
予防分野での理学療法士の関わりのメリットは以前からゆわれていたので、本格的に職域を拡大し、理学療法士の地位を押し上げるにはもっと早くからこのような取り組みが行われていてもよかったのかなと思います。
あとは、すでに地域での運動指導による成果は一部の地域で結果として出ていたような気がするのですが。
これに関しては私もあまり詳しく把握しているわけではないので、また勉強してみます。
あとは助成金額の話。金額も金額なので。このような助成金は理学療法士協会の年会費から捻出されるんでしょうかね?
理学療法士協会への加入率は80%超だったと思います。ほかの医療職、例えば医師は60%、看護師50%などほかの職能団体に比べると加入率はかなり高い数字となっています。
これは協会への期待度なのか?私が入職したころは入るのが当たり前の流れだったので特に考えず入りましたが。
この加入率をうまく活かしながら協会にはこれからも頑張ってほしいですね。
本日も最後までお付き合いありがとうございました。