リハスタ

   理学療法士による知っとくとためになる情報発信

【要約】呼吸療法認定士の資格取得の流れや必要費用などについて。経験者からのアドバイス。

本日は呼吸療法認定士についてまとめてみたいと思います。

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私自身はもう7.8年ぐらい前に取得したでしょうか。5年毎に更新なのですでに一度更新しています。職場で初めて呼吸療法認定士の資格を取得したので、それは私の中で自慢です。


また、自分のキャリアアップのために初めて動き出した時期ですね。なのでいろいろと思い入れのある資格です。


実際に資格取得するにあたって、知らないと失敗しかねない点があるので、その注意点も踏まえてまとめてみます。

呼吸療法認定士とは??


呼吸療法認定士でも、おそらく十分に通用するとは思いますが、正式には3学会合同呼吸療法認定士が正しい名称ですね。


この3学会とは、日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会になります。




資格取得の条件


①臨床工学士、看護師、理学療法士、作業療法士の資格を保有し、常勤として2年以上実務経験をしていること。准看護師の場合は3年以上の実務経験が必要です。


②認定講習会への参加。毎年8月ごろに東京で開催される2日間の認定講習会への参加。


※この講習会に参加するためには、直近5年間で学会が認める呼吸に関係した学会、研修会に参加していなければなりません。


※私からのアドバイスです!
この認定講習会の申し込みは、郵便局で特定記録郵便というシステムで申し込みを行います。


特定記録郵便とは、郵便局に受講申し込みの封筒を出した時間を記録することができ、要は早いもの順で受講者を決めていくというやり方です。


なので、申し込み開始の日にちの8時から郵便局での封筒の取り扱いが可能となりますが、だいたい開始15分程度で受講人数いっぱいになるそうです。


受講を希望される方は、その点も理解した上でしっかりとした準備が必要です。


私も申し込んだときは、地方の郵便局ですが数人同じような封筒を持った方が受付に列を作って並んでいました。


③最後に認定試験を受験し、合格すると晴れて呼吸療法認定士の資格がもらえます。


おそらく、認定講習会の受講の争いが一番のハードルではないでしょうか(笑)

合格率はどのくらい??


気になる合格率は、、、学会の公式のHPによると60%前後ですね。職種別の合格率も提示されており、理学療法士の合格率は全職種の平均より、高めになっていますねー。


みなさん、それだけ意識高く勉強に取り組まれているんでしょう。なんだか嬉しいですね。

資格取得者の割合は??


どの職種が多く取得されているんでしょうか?少し気になったのでまとめておきます。


資格取得者は43463人。内訳は看護師が54.8%、理学療法士が29.7%、臨床工学士が12.6%、作業療法士が1.9%、准看護師が1.1%でした。


直近の4年間の合格者でゆーと理学療法士の合格者数が1番多いですねー。今後も取得される方は増えていきそうです。




取得・維持に必要な費用


私が資格を紹介する際は必ずまとめている項目です。やはりどのくらいの金額が必要なのか気になるところですね。特に、維持に必要な費用まではあまり考えられていない方もいますが、重要な要素だと思います。


まず、取得自体に必要な費用から。認定講習会の参加費用が2万円です。会場は東京で2日間の講習なので、そこらへんの交通費・宿泊費も必要ですね。
認定試験の費用が1万円、同じく会場は東京です。


次に資格維持のための費用ですが、5年ごとの更新が必要となります。更新に際して学会が認める学術大会や研修会に参加して一定の単位を取得する必要があります。


さらに更新料として3500円必要となります。


以前紹介したNST専門療法士に比べると、維持にかかる費用はこちらの方がかなり安く済みますね。ありがたいことです。


以上が呼吸療法認定士のまとめになります。もし検討されている方がいらっしゃれば少しでも参考にしてください。


呼吸ケア指導士なる資格も最近できたみたいです。
http://physicalkun.hatenablog.com/entry/2017/06/28/170835physicalkun.hatenablog.com



最後までお付き合いありがとうございました。


理学療法士の給料と役職について。管理職について思ったこと。

本日は理学療法士のお給料と役職について、個人的な感想をつらつらと述べます


私は理学療法士になって、12年ほど経ちました。幸いにも、最初に就職した病院で現在も働いております。病院の機能として、回復期を中心とした130床ちょっとの病院です。


セラピストの人数は全部で60人程度でしょうか、うちPTが約40人ほどです。PTの年齢層としては、上は40代、下は新卒。平均でゆーと、30歳手前ぐらいが一番多いでしょうか。


そんな病院の管理職の感想です。

役職について


うちの病院のセラピストの役職は、リハビリテーション部の部長が一人、その下に理学療法科、作業療法科、言語聴覚療法科に科長が一人ずつ役職とゆー形で配置されています。


部長はPTの先輩が務められており、幸いにも私は理学療法の科長とゆー役職をいただいております。


役職手当として25.000円いただいております。

役職についた感想


さて、私は役職を与えられて3年ほど経っていますが、、、その感想を。


かなり体力的、精神的にもつらいものがあります。まさに中間管理職的なつらさですね。


もちろん、他のスタッフより余計にお給料をいただいていますし、役職につきたくてもつけないスタッフもいるので、「割に合わない」なんて言葉は仲の良い先輩、後輩にもゆえません!


が、つらいものはつらいですねー。もう少しキャリアをつめば、落ち着いてきそうな感じは掴めてきていますが。


私としては、科長の下に副科長なり、主任などの役職をつけて、その手当は私の手当から捻出してでも新しい役職を作って欲しいと思っています。




役職の仕事とは??


役職について、増えた仕事内容を述べていきます。


単位数は基本的に他のスタッフ同様に取得しています。担当患者数が他のスタッフと同じときに、新患が入ってくると、他のスタッフが気を使ってとってくれる程度の配慮は受けています。ありがたいです。


増えた業務といえば、単位数等の管理や、まとめての報告。そして、理学療法科としての新しい取り組みや、研究発表は主に私が中心となって取り組んでいます。


もちろん、科がよりレベルアップするための努力は惜しみませんが、やはり他部署、病院への根回しなど、なかなか容易ではないことが多く、精神的にいっぱいいっぱいになることも多々あります。


また研究発表に関しても、直接のノルマを伝えられたことはありませんが、暗黙的に一年に一題を意識して行っています。


私の病院では、基本的に業務に直接関わることでの残業しか手当がつきません。研究発表のために残業をしても残業手当はつきません。

理学療法士が給料を上げるには?


給料を上げるには、もちろん役職につくことが確実です。

が、病院とゆー環境では他の一般企業に比べて役職のポスト自体少ないため、なかなか容易ではありません。

他の資格、例えばNST専門療法士、呼吸療法認定士など、ある一定以上の認知度の高い資格を取ることで、病院が評価し資格手当を支給してくれる病院もあります。


病院の就業規則等を改めて確認してみてはいかがでしょうか?

役職につくためには??


セラピストとしての実力でつける方もいるとは思いますが、なかなかレアなケースではないかと思います。いかに実力があっても、所詮1単位の料金は変わりませんからね。


あとは、巡り合わせとゆーか、やはり運やタイミングになってしまうと思います。


その中でも、少しでも役職につける可能性を増やすために私が行っていたことを紹介します。


他の療法士より目立つために、私は呼吸療法認定士の資格をとりました。それによって、ドクターとの信頼関係が増し、呼吸リハが必要な処方は私を指名して回ってくることもあります。


また院内・院外での研究発表を積極的に行いました。年に1題まではできませんでしたが、2年に1題程度は発表していたと思います。


あとは地域の支部活動にも参加していました。支部活動の一環での依頼を、病院に公文書で依頼してもらうことで、病院幹部に積極的に活動していることのアピールにもつながります。


どの取り組みが功を奏したかは分かりませんが、何も行っていなければ役職にはつけなかったと思います。


キャリアアップ、給料アップのためには、報われないかもしれない努力も必要だと思います。いつかは自分に返ってくると思って頑張りましょう!


理学療法士が取れるキャリアアップにつながりそうな資格についてもまたまとめてみたいと思います!
本日も最後までお付き合いありがとうございました。


栄養サポートチーム(NST)専門療法士の資格取得について。受験資格や合格率など。

本日はNST専門療法士についてまとめたいと思います。

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初めにゆっておきますが、私はNST専門療法士の資格は持っていません!(笑)が、以前から非常に興味・魅力を感じている資格ですよ。


栄養に関して他職種と意見・検討する際に、この資格の後ろ盾があれば、もう少し発信力があるのかなーと思ったりもするんですよね。


この資格は維持するにもそれなりの費用が必要なので、今は様子を見ている段階です。病院によっては、資格手当を出している病院もあると思うので、栄養に興味のあるコメディカルは是非検討してみてはどうでしょうか。

NST専門療法士とは??


さてNST専門療法士ですが、JSPEN(日本静脈経腸栄養学会)という学会が認定資格制度を施行しています。


認定の目的は、、、
主に静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有しているとみなしNST専門療法士として認定するものである。
と書かれています。



資格を取得するための条件は??


資格取得可能な条件は、
①管理栄養士、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、診療放射線技師のいずれかの国家資格を保有していることになります。


②5年以上の臨床経験と栄養サポートに関する業務に従事した経験が必要とされています。


③学会が認定している学術大会や主催している臨床栄養セミナーに参加して、単位を取得する必要があります。


④学会が認めている認定教育施設で合計40時間の実地修練を終了。施設において携わった静脈経腸栄養管理中の患者に関する1,600字以内の症例報告が必要。


①~④の条件をすべてパスすれば、NST専門療法士の認定試験を受験することができ、合格することで資格取得に至るそうですね。


私は呼吸療法認定士の資格は持っており、なんとなくの流れは似てはいますが、④のような実地修練にあたるものはなかったので、その点は新鮮に感じました。


認定教育施設は平成29年6月9日の時点で401施設登録されていました。学会のホームページには、都道府県ごとに認定施設がリストアップされています。

少ない県(佐賀県)では県内に2ヶ所しかなかったり、多い県では10ヶ所以上認定されていたり、都道府県によってかなりばらつきがみられますね。


資格取得を少しでも考えている方は、確認されてみてはいかがでしょうか。

合格率は??


さて気になる合格率ですが、、、私が見たかぎり、学会のホームページには受験者数と合格者数両方を載せている資料は見当たりませんでした。


他を検索したところ、H24年に関しては、受験者数1638人、合格者数1155人で合格率67.18%との資料を拝見しました。ほかも探してみましたが、だいたい70%前後と記載さている内容が多かったです。
が、年度によっては難易度が高く合格率もかなり低い年もあったとのことです。

リハビリ職種の取得率は??


平成29年度の合格者の名前(755人)と保有資格の一覧がアップされていましたが、やはり看護師、管理栄養士、薬剤師が圧倒的に多いですね。
ちなみにH29年は理学療法士は32人、作業療法士11人、言語聴覚士22人でした。H24年は理学療法士12人、作業療法士6人、言語聴覚士28人だったそうで、全体的に見るとリハビリ職種の人数は増えてきているようですね。


今後も、リハ栄養の関係でリハ職の活躍に期待したいところですね。

取得・維持に必要な費用は??


あと気になる点は、資格取得・維持のための費用ですねー。私個人としてはここがネックなために取得に踏み切れずにいます。


まず受験料が10.000円、合格後認定してもらうために20.000円が必要となります。また学会に入会している必要もあるため、学会の年会費10.000円を今後払い続ける必要があります。
うーむ、初期費用はともかく、資格維持のため学会の年会費を払い続けるのがなかなか、、、。


また5年間毎に更新するため、更新のために学会参加して単位を定期的に取得しておく必要がありますね。


私としては、栄養サポートチーム加算によって、病院の収益が増えれば、資格手当等で補助してもらえるかもしれないと考えています。
でも現状の栄養サポート加算の算定要件に理学療法士は入っていないんですよね。


必要なのは、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士が所定の研修を修了することが条件とされています。さらにゆーと、あくまで研修を修了とのことなので、実地修練まで終えればよく、認定試験の合格は必須条件ではないそうです。


まずは、算定要件に理学療法士等が入ってくるのを期待している今日この頃です、、、


NST加算についてのまとめも書いてみたので気になる方は読んでみてください。
physicalkun.hatenablog.com


最後までお付き合いありがとうございました。


リハ栄養での低栄養の基準とは??評価方法を紹介

今日は、リハ栄養でゆー低栄養の基準についてまとめたいと思います。

 

前回の内容で回復期リハビリ病棟の入院患者の4割の患者様が低栄養状態であるとお伝えしました。

では、この低栄養状態とは何を基準に判断しているのか、、、この点について触れていきます。

 

 

BMI

まず、栄養状態と聞いてイメージしやすいものにBMIがあると思います。健康診断でもおなじみですね。BMIの求め方は

BMI=体重kg ÷ (身長m)2 で計算されます。

よくある間違いとして、身長の単位を㎝の数字で計算しようとされる方がいるので、そこは注意が必要ですね。私もうっかり間違えてしまいますが。

BMIの標準値は18.5〜25とされています。

18.5未満は低栄養、25以上は肥満と判断されます。

私のBMIは、、、17.8です。ばっちし低栄養状態です、、、

 

体重減少率

次に体重減少率も使われたりしています。

体重減少率(%)=(通常体重−現体重)÷通常体重×100

減少率の値が下の表にあてはまるようであれば低栄養と判断します。 

1週間

1カ月

3カ月

6カ月

2%以上

5%以上

7.5%以上

10%以上

 私の病院では、計算式にある通常体重は入院時の体重を使用しています。本当は病前の体重を使用したいところではありますが、ご自分の体重を正確に把握されている患者様が少ないので、やむなしです。

 

今後は急性期病院とも連携して、急性期での体重測定の結果を経過報告書に記入してもらう形を考えています。そうすれば、もう少し患者の病前からの栄養状態の把握が可能となりそうです。

 

ただ、多病院に働きかけるには、いろいろと手続きを通さなければならないので、仕事に余裕ができたときになりそうです。

 

 MNA

あとは私の病院では使用していませんが、MNA(Mini Nutritional Assessment:簡易栄養状態評価法)や、そのshort form版のMNA-SFを用いて評価している病院もあります。

MNAは18の項目に沿って評価し、その合計点で栄養状態を評価します。

MNA-SFは6項目に範囲を絞って評価します。合計点が8〜11は低栄養の恐れあり、0〜7は低栄養と評価されます。

 ただし、この評価法では患者の大半が引っかかってしまう恐れがあるので、その点は注意が必要だと思います。

 

その他にも上腕周囲長や下腿周囲長を計測したりもしますが、そのあたりはサルコペニアの記事もまとめたいのでまた後日記事にします!

 

本日も最後までお付き合いありがとうございました!

 

最近のトピックスのリハ栄養。回復期リハ患者の◯割が低栄養

さっそく自分が最近興味のある、リハ栄養についての記事を書かせていただきます。

 

それまでは、栄養状態に関しての知識はほぼ皆無だったのですが、一度栄養状態の重要性を勉強してからは、この分野の重要性を非常に感じています。

 

 

リハ栄養とは?

リハ栄養とは、スポーツ栄養のリハビリ版とゆーふうによく説明されているように思われます。

 

スポーツ選手は、確かに専属の栄養士がついていたり、かなり食生活には気を遣われていますよね。

 

リハビリを受けている患者様においても、もう少し栄養状態に注意を向けて、リハビリを行なった方がより効果的なのではないか?という考えだと解釈しています。

 

低栄養の割合は?

では実際に、回復期リハビリ病棟に入院されている患者様のうち、どの程度が低栄養状態とゆわれているかご存知でしょうか?

 

同じ回復期病院でも、どの疾患の受け入れが多いかによって、若干ばらつきは出てくるとは思いますが、一般的に約4割の患者様が低栄養状態にあるとゆわれています。

 

多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれですが。私個人としては、想像していたより多く感じたのが感想です。

 

ご存知の通り、回復期リハビリ病棟とは、急性期病院で病気が落ち着いた状態で転院され、あとはリハビリを積極的に頑張っていきましょうという性質の病棟になります。

 

これからリハビリを頑張っていく患者様の4割が低栄養状態では、リハビリの進捗具合にも影響が出るのは当然ですね。

 

そうやって思い起こしていけば、なかなか歩行が安定してこなかったあの患者様は食が進まないと話されてたり、、、

 

ちらほら、栄養状態のために良くしてあげられなかったかもしれない患者様の顔も浮かんできたりします。

 

なぜ回復期に低栄養が多いのか?

 

ではなぜ、回復期リハビリ病棟に低栄養状態の患者様が多いのか。今日はそこを整理したいと思います。理由としては3つの理由が考えられています。

 

①疾患発症前からの低栄養

高齢者では、食欲・嚥下機能低下、多剤内服(ポリファーマシー)による影響、認知症・うつなどにより、病前から栄養状態が不良だった可能性。

 

②急性期病院での栄養状態の悪化

急性疾患による侵襲によって、筋肉の分解が亢進して栄養状態が悪化。また、絶食や末梢静脈栄養のみによる不適切な栄養管理。

 

③回復期リハビリ病棟での不適切な栄養管理

回復期リハビリ病棟では、リハビリの単位数の増加が考えられ、急性期病院に比べるとエネルギー消費量が増加する。それを踏まえた栄養管理が行われないと、栄養状態の悪化につながる。

 

これらの理由で回復期リハビリ病棟患者様の低栄養に繋がっていると思われます。

 

セラピストとしての関わり方

回復期病院に所属している私ができる取り組みとしては、③に対してリハビリの活動係数を計算したうえでのエネルギー消費量を出して、主治医や管理栄養士に摂取カロリーの提案することだと思っています。

 

エネルギー消費量の計算方法に関してはまた後日まとめたいと思います!

 

最後までお付き合いありがとうございました!