リハ栄養学会に参加して来ました。リハ栄養も新たな資格制度を開始予定。
香川であった第8回リハビリテーション栄養学会に参加してきました。
1日だけの学会でしたが、その感想・内容をざっくりまとめておきます。
学会のテーマ
今回のテーマは「他職種」ということだったので、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士ごとにそれぞれが、どのようにリハ栄養に取り組んでいるかの講演がありました。
私は、理学療法士・管理栄養士のセッションに参加しましたが、、、正直、特に参考になるような内容はありませんでした。
印象ですが、まだまだリハ栄養に関心を持ち始めたばかりの人やどうやって取り組んだらいいのか悩んでいる人が多いので、あえて広く浅くの内容にしたのかなーと思いました。
もう少し、臨床に踏み込んで、難渋例などの報告を聞きたいです。
サルコペニアのメカニズム
今回の学会で、私が聴講した中では1番興味深い内容だったのは、この「サルコペニアのメカニズム」についての講演でした。
研究職の方の講演だったので、正直少し難しい部分もあったのですが、なかなかサルコペニアの基礎研究レベルの話を聞くことがなかったので、勉強になりました。
オートファジー(自食作用)についての話があり、亢進しすぎても低下しすぎても良くないとのこと。
低下すると、古い筋肉が脂肪となり、新しい筋肉が合成されにくくなるらしいです。
栄養状態が良好な高齢者に対して、少し食事制限(腹八分程度)すると、機能不全になっていたオートファジーの活性化が図れるとのこと。
うーん、オートファジーっておもしろいですね。2年前にオートファジーでノーベル賞も受賞されましたし、ちょっと勉強してみます。
リハビリ栄養指導士?
総会にも少しだけ、参加しました。
現在の学会員は約600人ほどらしいです。思ってた以上に少ないなーというのが感想です。
資格の名称はぼんやりとしか覚えていませんが、「リハビリテーション栄養指導士」なる資格制度も来年度あたりから開始するとのことでした。それに向けた研修も開始していくとのこと。
サルコペニア学会に関しても同じような資格制度、腎リハ学会でも同じような資格制度があります。
私自身は資格制度が好きな方なのですが、最近、このような資格制度が乱立しているような気がして、、。
資格制度を作ると、一定のお金が学会に継続して入ります。一度資格を取得したとしても、学会を脱会するとその資格は失効しますからね。年会費がだいたい1万円ぐらいでしょうか。個人レベルではかなりの負担だと思います。
資格制度を作って、分かりやすくキャリアアップを図れるようにして、専門知識を有したコメディカルを作るのは大事だとは思うのですが、こうも乱立していると学会運営のための資格制度のような気もしてきてしまいます。
感想
リハ栄養フォーラム、サルコペニア・フレイル学会、今回のリハ栄養学会。ここ3年ですが、毎年一つはリハ栄養に関する講演会、学会に参加してきました。
講演されている方がだいたい固定されてきているなーという印象。もちろん、学会長の若林先生の講演は当然だと思いますが、その他の講演者の方も、以前講演を聞かせていただいた方がほとんどな印象です。
そして、リハ栄養に関する新しい知見はほとんどない。今回の「サルコペニアのメカニズム」以外で、知識としてアップデートされるような内容は正直ありませんでした。すごく楽しみにしていた分、がっかり感がすごいです、、、。
ガイドラインも作成され、これから研究等も増えていくと思われますが、どんどん新しい知見がアップデートされないと、継続して参加する必要性がない分野になってしまうのかと思います。
今回参加した印象では、2~3年に一回、学会に参加する程度でいいかなーと思いました。基礎研究レベルの勉強はもう少し個人で頑張る必要があるとは感じさせられましたが。
診療報酬に少しずつ組み込まれつつあり、当面は「新しい分野」として興味・関心が注がれると思いますが、それが一過性にならないように頑張っていただきたいです。
最後までお付き合いありがとうございました。