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マスク依存症?マスクは大事、でもノンバーバルコミュニケーションはもっと大事!

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マスク依存という言葉が最近はあるそうですね。


私は病院で勤務しているので、職場の環境上、マスクをしているスタッフは大勢います。


私自身は、いろいろな理由でマスクが嫌いなので、自分自身の体調が悪いとき以外はまずつけることはありません。


マスクについて、私が思うことを書いてみます。

マスクの目的

マスクの使用目的って一番はやっぱり感染予防ですかね?マスクをすることで、インフルエンザウィルスなんかを自分の体に取り込まないようにするということでしょうかね。


ただ、研究レベルでいうと、マスクを着用することで感染予防が図れるという結果はほとんどありません。むしろ、間違った使用方法では感染の可能性が高くなるという結果まであります。


マスクが一番効果を発揮するのは、自分が感染しているときに、周囲に感染を拡大させない「感染拡大予防」のために使用するときが一番効果があると言われています。


意外と知られていない事実なのではないでしょうか?なので、元気なときにマスクを使用する必要性はほとんどないということです。


あと、インフルエンザの予防にうがいが有効と考えられていましたが、これも今は否定されていますね。


インフルエンザウィルスがのどに付着すると15~20分ほどで体内に侵入するので、本当にうがいで予防するのであれば20分おきにうがいをしなければ意味がありません。逆にのどをいためてしまいそうですが。


当たり前だと思われていることも、今では結構否定されていることが多く、色々と考えさせられます。

マスク依存の原因

原因は、いろいろと考えられます。


自分の顔にコンプレックスを持っている。歯並びが気になる。口臭が気になる、、、、。


要は、対面で他人とコミュニケーションをとることに不安がある方が、マスク依存に陥りやすいのだと思います。


どうしても冬場は日常的にマスクを使用する人が多いと思います。確かにマスクをすると、自分の表情が見られないので少し守られたような・気持ち的に楽な面もあるような気がします。あくびしてもばれないですしね。


ただ、それに慣れてしまうと、いざというときにマスクを外すと落ち着かなかったり、面と向かったコミュニケーションに無意識に抵抗を感じるようになるんですね。




マスクのデメリット

感染拡大予防には非常に有効なマスクですが、日常的に使用することには私は抵抗があります。


人のコミュニケーションについて、メラビアンの法則という有名なものがあります。


この法則では、話し手が聴き手に与える印象の大きさは言語情報:7%、聴覚情報:38%、視覚情報55%の割合だとされます。


言語情報というのは言葉の通り、話の内容ということになります。人とのコミュニケーションにおいて、相手に与える印象は言語情報はたったの7%しかないんですよね。


その他の聴覚情報、視覚情報が9割以上占めており、これらの情報を非言語性(ノンバーバル)コミュニケーションといいます。


聴覚情報であれば、話し手の声のトーンや話すスピード、間合いの取り方などの情報を指します。


視覚情報は、話し手の表情や身振り手振りなどのジェスチャーなどが視覚情報に当たります。


人の表情の多くは、目の動きや口の動きで構成されています。なので、マスクをしていると、口の動きによる情報が相手に伝わらないので、どうしても無表情な印象を与えがちになってしまいます。


歯医者にいる歯科衛生士さんたち、みんなクールな印象を受けませんか??やっぱり表情を見せるって大事です。

患者とのコミュニケーション

認知症などの高齢者の方や脳卒中により失語がある患者は、言語理解が困難な方もいらっしゃるので、余計にノンバーバル情報での状況判断が多くなると思っています。


そのような患者には、少しでも話し手の意図・雰囲気が伝わるように、表情であったり、優しい声かけなどが重要なのかと思っています。


なので、わざと身振り手振りを大きくして大げさに話をしたり、表情を大きく動かすようにしています。


それだけではないでしょうが、比較的自分でも認知症患者との関係性づくりは得意だと思っています。




社会人の礼儀として

うちの病院でもカンファレンスなどの場でも、マスクを使用したままご家族に対して病状説明するスタッフがいました。


それは私は社会人として不適切だと思います。人前で話す際は、極力マスクは外して話をすべきではないでしょうか??


最初の患者さんとの自己紹介もそうです、マスクをつけたまま、理学療法士の○○ですの紹介より、きちんとマスクを外してご挨拶した方が聞き手に与える印象は違ってくると思います。


あらためて、マスクのメリット・デメリットについて考えるきっかけになりました。


現代病といえるかもしれない、マスク依存症。日常的に使用していると、思わぬ弊害があるのかもしれませんね。


本日も最後までお付き合いありがとうございました。