リハスタ

   理学療法士による知っとくとためになる情報発信

理学療法士が転職・退職する前に本気で考えるべきこと。医療転職サイトを見るのはそれから。

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気づけばもう12月、、、あと1ヵ月で今年も終わりますね。


さて、この時期になると管理職として頭を悩ます出来事が増えてきます。それは職員の退職問題、、、、。


当院は就業規則で、遅くとも退職の2ヵ月前には退職の意思を伝える決まりになっており、3月いっぱいでの退職を希望される方は、12月ごろに「ちょっとお話があるんでお時間いいですか?」と声をかけてきます。


私のような小心者は呼び出されるたびに、心臓が悲鳴をあげています。


ここ数年、毎年のようにPT・OT合わせて5名以上が入職していますが、それとほぼ同等、もしくは少し少ない数が退職していっています。


最近の退職の傾向や組織・管理職として思うことを書いてみます。


傾向①給与面の不満

不満と言っても、いろいろあります。給与面・労働環境・上司などの人間関係などなど、、、。


最近の印象では、給与面での退職は少し減ったような気もします。よほどの自分に付加価値がない限り、同じ領域(病院⇒病院)ではほとんど給与は同レベルだと思います。まして同じ地域であればなおさら。


違ったとしても、1~2万ほどだと思います。もちろん、馬鹿にはなりませんが、給与面以外に特に不満がなければ、新しい職場に移る労力を考えると少し二の足を踏んでしまうのかもしれないですね。


訪問リハは歩合もつくとかで、病院に比べるとお給料が良いみたいです。




傾向②労働環境

有休の消化率、研修会の補助、1日に単位数などなどでしょうか。


最近、飲み会であるベテランスタッフの愚痴を聞くことがありました。彼曰く、「最近は単位単位、単位をとることが仕事になっている。単位をとって、帰るだけ。」と。


私の理解が及ばず、真意をくみ取ることができなかったかもしれないですが、「セラピストは単位をとることが仕事」ですよ。


営業は契約をとることが仕事、料理人は料理をすることが仕事、野球選手は野球をすることが仕事、セラピストはリハビリをして単位をとることが仕事。


一般社会からすると、専門職の常識って少しずれている・勘違いしている人が多いと思うんです。どうしても狭い世界で生きているからそうなってしまうとは思うんですけどね。


はっきりいって、一般企業で今の発言をしたところで、「は?」ってなると思います。おそらく彼が言いたかったことは、単位に追われて仕事にやりがいを見出せない、といったところだとは思うんですけどね。


仕事のやりがい。もちろん、上司として目標(例えば研究課題)を与えてやりがいを持ってもらうことができればgoodだとは思いますが。


私個人は、やりがいって自分で見出すものかなと思っています。私自身、管理職につく前に、当時の上司にやりがいを持たせてもらった記憶はないです。


自分で資格をとることを目標にしたり、興味のある治療法を勉強して患者様に新しい発想で関わったり。人に目標を設定されないとモチベーションが上がらないというは、自分を客観視する能力に欠けていると言わざるを得ないです。


もし、労働環境に不満があるのであれば、一度冷静に客観視してみてはどうでしょうか。一般企業に置き換えて考えてみても、それが不満であるのであれば転職を考えてみてもいいかもしれませんね。

傾向③上司に対する不満

私は理学療法科の科長ですが、上司にリハビリテーション部の部長というポストでPTがついています。このPTが大ボスなのですが、なかなか部下からの信頼がない状態が続いています、残念ながら。


なぜ信頼がないのか。部下からの愚痴をまとめると、とにかく仕事が遅い、上司としての責任感・自覚がない、セラピストとしても尊敬できる点がない、といった印象を部下たちは持っているようです。


私自身も部長に対して改善してほしいと思う点は当然あります。ただ、人を批判するのは簡単なんですよね。


じゃあ、文句を言っている部下が実際にあのポストをこなせるかと言ったら、ほぼ100%無理なんです。


人のアイディアを否定するのは簡単ですが、それを補うアイディアを出せない限り否定するべきではないと思います。


上司に少なからず不満を持っている方、たくさんいらっしゃると思います。じゃあ自分がそのポストについたとき、どのくらい仕事がこなせれるか、客観視してみてください。

経験年数と経過年数

私個人の考えでは、退職を決断できる方というのは優秀な方が多いという印象を持っています。


不満を持っていても退職に踏み切れない人もたくさんいます、私の職場でもそうです。その人たちがなぜ退職に踏み切れないか、それは少なからずセラピストとしての自信・知識・技術に不安を持っているからだと思います。


経験年数を重ねたセラピストであればあるほど、その経験年数に見合った実力が必要です。残念ながら、努力を怠っているセラピストは、そういった背景もあって退職に踏み切れません。


いつだったか、PT協会のお偉いさんの話を聞いた時に、「経験年数」と「経過年数」と言葉を使い分けていましたが、なるほどなーと思います。努力せず重ねた年数は「経過年数」なんですよね。


また退職を決断するには、社会人としての行動力も必要ですし、何よりも自分の将来像を考えているからこそ、退職を決断できるのだと思います。


漫然と日々の仕事をこなしているだけでは、不満はあっても長期的に見た自分の将来像にまで考えが及ばないですからね。




個人の存在価値

「私がここにいる存在価値を見出せない」といった相談?愚痴?も聞くことがありました。


これも個人的な見解になりますが、組織の中で本当にどうしても必要な人材は本当にごくごく少数です。というか、そうでなければならないと思っています。


だれか一人が退職したぐらいで成り立たなくなるような組織は、まだまだ成熟していない証拠です。


私も管理職についていますが、所詮私がいなくなっても別のスタッフが取って代わるだけです。組織って、個人ってそんなものです。


組織の中での自分に存在価値を見出せることも必要かもしれないですが、そんな視点よりただただ1人のセラピストとしての技量を上げる、それだけでいいと思います。


「自分が退職したらこの職場は回らなくなる」、意外とそんなことはないんですね。だれかが代わりを務めるんです、数カ月もすればその人の名前すら出なくなるんです、そんなもんなんです。


そこは割り切って働いた方が絶対いいと思います。

退職を考える方へのアドバイス

退職を一度でも考えるようであれば、まずは自分の不満を今まで私が述べたように客観的に考えてみる。それでも納得が行かなければ行動してみてもいいかもしれません。


私も、管理職についていない時期に公務員系の病院への転職を考えた時期がありました。実際に行動には移しませんでしたが、今でも心残りはあります。


最近は、医療職専用の転職サイトのCMを見る機会も多くなり、昔に比べると情報収集もスマホで簡単にできる時代なのかもしれませんね。


今は病院だけでなく、訪問リハ系の選択肢もたくさんありますもんね。訪問リハ系では歩合もつくし、病院よりお給料が良いというのはよく聞く話です。


やらなかった後悔ってずーっと残るもんですからね。残る決断は簡単なのでそちらに流されてしまいますが、今一度自分の人生を本気で考えてみてください。