リハスタ

   理学療法士による知っとくとためになる情報発信

リハビリ関連書籍の紹介。同じ悩みを持っているセラピストには特におすすめです。

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最近読んだリハビリ関連の書籍で、おもしろかった本を紹介します。


最近の臨床で「痛み」、特に慢性痛で難渋するケースがいたので、痛みに関する書籍


来年、学会発表の予定があるので、改めて発表・プレゼンの方法についての書籍


どちらも必読です!

ペイン・リハビリテーションを生きて

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患者の主訴で「痛み」ってかなりの割合を占めますよね。そしてリハビリで関わる上で患者の満足度に一番つながるのも、「痛み」の消失だと感じています。


「痛み」って器質的な要因もあれば、心理社会的な要因もあったり、改めて最近の臨床の中で奥が深いなぁと感じています。


さて、今回お薦めするのは、実際にCRPSを発症した患者とそのリハビリに関わったセラピストが共同でリハビリテーションの経過などをまとめた書籍です。


内容は、ざっくり分けると大きく3つのカテゴリーに分かれています。

①患者自身の回想

発症から治療、リハビリの卒業に至るまでの患者自身の心情・セラピストとのやりとりなどを、当時の日記などをもとに綴られています。


患者の心情がものすごくリアルで、読んでいるこっちが泣きそうになります。医療従事者(リハビリ以外も含め)の関わり方に関しても色々と考えさせられます。


②患者とセラピストの対話

リハビリ卒業後、患者とセラピストが当時を振り返りながら、様々な場面でお互いがどのような感情を持っていたのか。セラピストがどのような意図で関わって、それに対して患者はどのように受け止めていたのか。


当時を振り返りながら、対話形式でまとめています。


この企画ができるくらい、お互いの関係性が築けていたこと自体もCRPSの治療成績にも繋がったんでしょうね。


③「痛み」に関する学術的な知見、実際のアプローチ

ありとあらゆる分野の痛みに関する学術的な知見をまとめています。臨床を行ってても、「痛み」って本当に複雑だなーと感じることが多いです。非常に勉強になりました。


あとは、患者との会話から得られる情報とその解釈や、実際のアプローチ。このセラピストの方が認知神経リハに取り組まれているので、どのような課題を行ったか具体的に書かれています。


治療のアイディアとしてもおもしろく、今後参考にできることもあるかと思っています。

研究的思考法

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タイトルだけ読むと、「the 研究方法論」みたいな内容を想像するかもしれませんね。


副題は、「想いを伝える技術」なのですが、プレゼン・スピーチ・研究論文など、自分の主張を相手に伝えるためにはどのようなスキルが必要なのか、このスキルに関するものをまとめたのが本書です。


論文などの構成も本書では触れていますが、文章構成そのものの説明もされていたり、基本を知ることで様々な場面での応用が利くと思います。


また、伝える技術が身につくと、今度は相手の主張を理解する技術も身に付きます。論文を読む際に、効率よく要点を理解できるので、短時間でより深く相手の意見の理解に繋がりそうです。


話の要点が解りやすい人、人を惹きつける話ができる人。逆に長々と話すが要点が解らず、結局何が言いたいのか分からない人。


身の回りを振り返ったときにも、色々なタイプの人が思い浮かぶと思います。自分自身は他者にどのように評価されているでしょうか?


プレゼン・研究発表などの機会が特に多い方、他者に意見を伝える際に苦慮することが多い方などにおすすめです。


あえて子供を作らない選択。個人・夫婦の幸せに必ずしも子どもは必要ではない?

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私は、結婚してもうすぐ10年ほどになります。


今現在、子供はいないですし、おそらく今後も作るつもりはないです。


個人・夫婦の幸せを考えた際に、必ずしも子供が必要ではないと考え、「子供を作らない選択」をしました。


そこに至るまでの考えをまとめてみます。

世間の風潮

少子化が叫ばれている現代です。結婚して数年経てば、「そろそろ子ども」みたいな雰囲気はありますよね。


結婚=出産がある種のセットになっている感は否めません。


老害議員の「女性は産む機械」に始まり、さまざまな失言が度々取り上げられています。特に麻生さんあたりが断然多いですね。


やはり、ある一定の年齢以上の人間は、結婚=出産という概念なんだなーとつくづく感じさせられます。


結婚=出産、否定はしませんが、その通り一辺倒の選択以外の道筋ももう少しあってもいいのではないかなーと思っています。




幸せの価値観

幸せの価値観ってホントに人それぞれですよね。


仕事一筋で、仕事のやりがい・出世に幸せを見出す人。


趣味の時間を大切にし、生活の豊かさを感じ、幸せを感じる人。


子どもとの時間や成長を、自分の幸せと感じる人。


夫婦二人の時間に幸せを感じる人。


どの価値観もその人それぞれなので、もちろん「間違い」なんてことはありませんよね。


ライフステージの中でも、時期によって価値観の変化や、それぞれの価値観のウェイトは変わってくると思います。


私はアラフォーの年齢ですが、現時点での割合は、仕事:趣味:夫婦=6:1:3ぐらいでしょうか。


今は趣味より、仕事にやりがいを感じています。もう少し年齢を重ねると、徐々に趣味にシフトしていこうかなーと思っています。

子どもの存在

子どもを考えたときに、子どもが存在することで得られることもあれば、どうしても失うこともあります。


得られること、失うこと。それを天秤にかけた際に、得られることより失うことのほうが大きい。そのように考え、子どもを産まない選択をしました。


色々検討した内容を以下にまとめていきます。




検討事項①経済面

子どもを育てるには当然ですが、いろいろなモノが必要となります。その最たるものがお金じゃないでしょうか?特に教育費ですよね。


保険会社の資料などで簡単に確認することができますが、だいたい最低で一千万円はかかります。これは幼稚園~大学まですべて公立の場合です。


私立の高校や大学などになると費用は大きく変わるので注意です。


教育費に関しては、無償化の流れが進んでいるので、今後長い目でみると変わってくるかもしれませんがね。


ただ、「無償化」といっても、いま議論されている対象は住民税非課税世帯に対する支援です。


この住民税非課税世帯は、自治体によっても多少異なるのですが、


夫婦+子ども1人の世帯では、世帯年収が205万円以下。


夫婦+子ども2人の世帯では、世帯年収が255万円以下。


この条件にあてはまれば、住民税非課税世帯となり、今議論されている「無償化」の支援を受けれる可能性があります。


ただ、この条件に世帯はそれほど多くないと思うので、ほとんどの家庭では「無償化」にならないと思っておいたよさそうです、現時点では。


また最近では、子どもの習いごとの費用も注目されています。


塾はもちろんですが、英会話教室・プログラミング・ダンス、、、挙げればきりがないですね。


子どもの将来を考えたら、幼少期の経験は非常に大事でしょうが、習い事の費用もかなり高額になる可能性もあります。

検討事項②時間

子どもを育てるにはお金だけでなく、大人の手が必要になります。それが子育ての醍醐味と言えば醍醐味なのかもしれません。


ただ、私のような特に子どもが特に好きでもないタイプの人間からすると、子育てのために自分の時間が使われることは苦痛でしかありません。


仕事を考える時間、読書の時間、夫婦で喫茶店でのんびり過ごす時間、、、。やはり自分のための時間を大切にしたいんですよね。


一度きりの自分の人生ですから、子どものために自分の時間・幸せを我慢する、というのがどうにもしっくり来ないんですよね。


実際に子どもができれば、考え方も180度変わるのかもしれませんけど。


子どもができて増えるかもしれない幸せ。未確定な要素に賭けるよりは、今現在確定している「夫婦二人で幸せな生活を続けること」の方が良いかなーとも思いました。




検討事項③老後

仲の良い友人に飲み会で、自分が子どもを作らない考えを伝えると、結構な割合で老後の面倒の話になります。


まだ独身で見た目もちゃらんぽらんな友人が、「老後」の話をしたので、少し見直したのですが。


確かに子どもがいれば、自分たちが高齢になったときに面倒を看てくれる。という選択肢の一つと考えるかもしれません。


が、現実はそんなことありません。それはほぼ虚像です。

私は、病院で理学療法士(リハビリ)として働いています。そこでの経験をまとめてみますが、子どもが面倒を看てくれるということは、ほぼありません。


ここでいう「面倒」とは、病気で年老いた夫婦での生活が難しくなってきたので、子ども夫婦と同居するという意味です。


病気がきっかけで、子ども夫婦と同居することになったケースは15年近く働いていますが数えるほどしかありません。現実はそんなものです。


ほとんどの場合、いわゆる老人ホームなどの施設に入所することが多いです。


自分がそれぐらい年老いたということは、当然子どもにも家庭がある状態です。子ども夫婦にも事情があり、なかなか同居という選択肢にはなりません。


逆に自分にとっても、必ずしも子ども夫婦と同居が良いとも思いません。同居するとなれば、少なからず生活の上で子ども夫婦に手をかけるということになります。


今まで、別々に暮らしていた人間が一緒に暮らす、さらに介護の手が必要となる。自分としては、子ども夫婦に申し訳ないという気持ちの方が強く、だったら施設の方が気が楽だと思います。


もちろん、施設に入るのもそれなりの金額が必要です。老後も含めて自分で人生設計するのであれば、子ども作らず、その分のお金(例えば教育費一千万円)を老後の施設代と考えればいいのではないでしょうか。


さらに言うと、これは近隣に子どもが住んでいる場合ですね。今の時代、同じ市町村に住んでいないこともざらです。入院しても一度もお見舞いに来ない子どももいますからね。

まとめ

社会において、子どもの重要性は百も承知しています。


ただ、あまりに結婚=出産のレールが強すぎるんじゃないでしょうか?


そして、無責任な親・未熟な親が多いようにも思います。そういう親に限って、無計画なので子どもの人数が多いような印象です。


子どもを作らない幸せ、子どもを育てるには相応の責任が必要だということを改めて考えるきっかけになれば幸いですね。



ビジネス書を読まない人の気が知れない。読書には無限の可能性。

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研究に関する仕事が少し落ち着いてきたので、空いた時間で気になっているビジネス書を読み始めています。


最近は、週に1回近くの喫茶店で2~3時間読書タイム。このお店の店員さんの笑顔がとても素敵でちょっとした癒しです。


さて、最近読んだ中で、特におもしろかったものを紹介します。

レバレッジ・リーディング

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数年前からビジネス書を読むようになりました。


個人的にはビジネス書を読むと自分の考えの偏りや、色々な発想・視点に気づかされることが多く、なるべく効率よく多くの良書を読みたいと思っています。


そんな思いを持ちながら見つけたのがこの本、「レバレッジリーディング」


年間に400冊ほどのビジネス書を読んでいるコンサルティング会社のCEOの方の著書です。


年間400冊!?って思いますよね。さすがに同じ量を読むことは難しいと思いますが、少しでも多読のコツが掴めたらなーと思い購入!


印象に残ったのが、「時間がないから本を読まないのではなく、本を読まないから時間がない」のくだり。


ビジネス書で、仕事効率化のノウハウやスキルを学べるのであれば、本を読むことで新たな時間捻出が可能になるかもしれませんね。


「多くの人が本を読んでいない、逆に言うと本を読むだけで多くの人に勝てる。」


これは本当に実感します。周りに読書の習慣がある人間のまぁ少ないこと。私の周りではほぼ皆無だといっても間違いないと思います。


1ヵ月に1冊読むだけでも、その他大勢の人より一歩進んだ考え方ができる可能性があること。読書にはすさまじい可能性を感じています。


あとは具体的な良いビジネス書の選び方やどのように読めばより自分のためになるか、などについて書かれています。


これを読めば、読書の重要性を認識でき、読書意欲が掻き立てられると思います。




スタンフォード式 最高の睡眠

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少し前に本屋で見かけて気にはなっていたので、仕事も落ち着いたので買ってみました。


すでに色々なメディアで紹介されているようなので、ご存知の方も多いかもしれませんね。30万部突破しているようなので、かなりの売れ行きのようです。


内容としては、流行語にもなった「睡眠負債」に関する内容から、睡眠に関する科学的な知見。


そして、「最高の睡眠」を得るための具体的な理論、方法などが書かれています。


睡眠に関する情報は、テレビなどでも多く紹介されていますよね。でも研究は常に進んでおり、「昔の常識が今では非常識」、なんてことも多くあります。


本では、最新の様々な研究を引用しながら要点を分かりやすく伝えてくれ、理解しやすい構成になっています。


人生の1/3の睡眠。まだまだ未知な部分も多いようですが、睡眠についてしっかり理解を深めること自体が、自分の人生の豊かさに繋がる気がします。


スタンフォード式 疲れない体。これも結構気になっています。

思考の整理学

読み終わってびっくり。35年以上前に刊行されていた書籍なんですが、まさに現代社会の人間観察をしたかのような内容でした。


東大・京大生で2年連続で1番読まれた本みたいですね。帯にはもっと早くこの本を読みたかったとの感想が書かれていましたが、まさにその通りでした。


115刷累計225万部って、なかなかの化け物じゃないですか?


グライダーと飛行機の例えは秀逸!!まさに現代社会の人の能力差をうまく例えているなーと感心しました。


今TVで話題の「メモの魔力」も同時に読んでいますが、似たような内容を書いている部分もあり、思考の整理・メモの重要性はいつの時代でも不変なんだなーと思いました。


1つの現象・事象をそれだけで済まさず、いかに深読みすることができるか。単純にその頻度を増やすことが重要なのかと思います。


あとはこの情報過多の時代に、どのように思考を整理していくか、その発想がこの本に書かれています。


乙武さんの義足プロジェクト。体のプロとして理学療法士が参入!!

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週末の楽しみの一つ、「ワイドナショー」で乙武さんの義足プロジェクトが紹介されていました。


その中で乙武さん自ら理学療法士のことをすごい評価してくれていました、リハビリテーションのくくりではなく「理学療法士」という名称を使ってくれたことがすごく印象的でした。


放送をみて思ったことを記事にまとめてみました。

義足プロジェクト

「ワイドナショー」で、乙武さんの義足プロジェクトの話題を扱うのは今日で二度目だと思います。


前回は、スタジオで義足を装着してまっちゃんと肩を組んで立って記念撮影したり、実際に少し歩いたりしていましたね。


キンコン西野の乙武さん義足プロジェクトのクラウドファンディングの立ち上げの話題もあったり。ところどころで義足プロジェクトの話題を耳にすることはありました。


冗談交じりですが東京オリンピックの聖火ランナーを目標の1つとして挙げているようなので、是非実現に向けて頑張っていただきたいです。

体のプロ

さて、本日の放送で乙武さんが義足プロジェクトチームに「体のプロ」として、理学療法士に参加してもらったとの報告がありました。


そこで紹介されたのが、内田直生さん。


どんな重鎮さんかなーと思っていましたが、想像以上に若い!多分20代?


調べてみると、25歳だそうです。パーソナルトレーナーなどとして活動されているみたいですね。


どのような経緯でプロジェクト参加になったか分かりませんが、その若さでプロジェクトの参加を決断するにはものすごく勇気が必要だったと思います。


様々なプレッシャーがかかってくるとは思いますが、応援しています!




放送の影響

この義足プロジェクトの注目度・社会的影響を考えると、このまま行くと内田さんは日本一知名度の高い理学療法士になりそうですね。


本日の放送で、乙武さんが実際に歩く場面や内田さんと一緒にトレーニングしている場面の放送がありました。


もちろん、私も理学療法士の端くれですから、「もし自分が担当したらという視点」を持って放送を見させてもらいました。


恐らくこれから色々なセラピスト色々な媒体を使って、「問題点は〇〇だ」、「〇〇なトレーニングを行った方がいい」、「なんだあの歩かせ方は」みたいな、無責任な発信を行うのかなーと思います、残念ながら、、、。


願うのは、この壮大なプロジェクトに勇気を持って参加した彼を応援するような。批判的なメッセージではなく、アドバイス的なメッセージを送れる組織・理学療法士であって欲しいです。


あと、内田さんにお願いがひとつ。


恐らく先天性四肢切断に関わる理学療法士自体がまず極まれであること、そして歩行に関わる機会はさらにまれ?皆無?に近いであろうこと。実際に論文で検索しても歩行に関するものはヒットしませんでした。


論文でも、書籍でも構わないので、今回の経験を理学療法士の視点で何かの形で世に出していただきたい。


それには、もちろん我々理学療法士にもですが、社会的にも意味のあるものになると思います。


乙武さん、内田さん、頑張ってください!


セラピストブロガーの現実。副業ブログの継続率ってどのくらい??

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私はこのブログを始めて1年半ぐらいになりますが、始めた当時はセラピストの中でブログブームのような流れもあったような気もします。


最近ではますますセラピストによるブログの数が増えてきたように感じます。


私のブログも、わずかではありますが他のセラピストブロガーの方がフォローしてくれています。


さて、そんなフォローしてくれているブロガーさんが、今現在どのくらいブログを継続できているのか。


ブログの現状なども踏まえて書いてみます。

ブログ継続率

「副業」という考えが広がり、新年度からブログを検討している人も多いかもしれませんね。


しかし、ブログを継続することってかなり難しく根気がいる作業になります。


私のブログ読者の中でちょうどセラピストブロガーの方が10名いたので、その方々の継続率を出してみました。


ブログの継続の判断は、それぞれの記事更新の頻度の流れを見て、あきらかに更新されていない期間が長い場合をブログ脱落とみなしました。


今現在ブログを継続できていた人は、10人中・・・・・・3人!!


この結果を多いと思うか、少ないと思うか。個人的には、妥当な線、むしろもう少し少ないかなーと思っていました。


脱落してしまった多くのセラピストブロガーは、3ヵ月程度で終了するケースが圧倒的に多かったです。3ヵ月を超えてくると、少しずつPVが増えてくると思うので、少しもったいないような気がします。


ブログをスタートする方は、「3ヵ月の壁」を乗り越えることを最初の目標にしてもいいかもしれませんね。




続かない理由

セラピストのブログに関わらず、一般的に見てもブログを継続することって難しいことです。


なぜ続かないのかの理由は色々ありますが、私は大きく2つだと思っています。


まず、
①習慣づけることの難しさ


ダイエット、筋トレ、節約、ジョギング、、、色々とチャレンジしては三日坊主で終わることってたくさんありますよね、中には三日も続かないことも。


ブログは文章を書く作業が必要となりますが、普通の日記ですら続けることって困難ですよね?


それがブログになると、ただの日記レベルの内容では情報発信の面でも、Googleアドセンスの面でも価値がないです。


価値を持った記事を書こうと思ったら、余計にハードルが上がってしまいます、、、。


もちろん、毎日ブログを更新する必要はないですが、定期的にこのハードルを超えること、これを習慣づけるにはそれなりの強い意志が必要となります。


②結果が出るまでに時間がかかること

セラピストブログの目的の1つには少なくとも、副業収入があると思います。副業として成り立つには、1ヵ月や2ヵ月そこらではなかなか難しいのが現状です。


中には1・2ヵ月で結果を出せる人もいるみたいですが、それはホントに極一部の人だと思っておいた方がいいです。


ある程度まとまった金額(月に5千円程度)が入るまでに最低半年はかかると思っておいた方がいいです。


もしかすると半年経っても収入につながらない可能性すらあります。


例えば、コンビニでバイトすると働いた時間に対して確実に対価(収入)がもらえますよね。


ブログでは、記事に費やした時間が必ずしも対価につながらない状況が生まれます。


報酬がないとなかなか人って努力できないものなので、このこともブログを継続することの難しさです。

続けるためのコツ

PVが増え始めるには、だいたい2・3ヵ月程度はかかるかと思っています。増えるといっても、1日100PV未満のレベルだとは思いますが。


でも質の良い記事を書き続けていれば、時間が経つにつれて確実にPVって増えていきますよ。その変化って結構楽しいものです。


すこし余裕が出てくると、「こーゆータイトルでこの内容の記事を書いたらPVが増えそう」みたいに、検索を意識した書き方もできてくると思います。


狙いすましても、私の場合はほとんどかすらないことが多いですが、たまにポテンヒットレベルが出ることも増えてきました。


ブログをtry & errorをしながら長い目で育てていく視点を持てば、それなりに楽しみながら続けられますよ。


あとは、私はSNSは一切利用していないので、ほとんと読者の方と関わることはないですが、時々問い合わせフォームを通じて関わることがあります。


社会人の方でこれからPTの学校に行こうか悩まれている方からの相談や、記事に関する参考資料の問い合わせがあったりと、たまにしかありませんが、なかなか新鮮で楽しいです。


今も私のブログを読んでくださっているか分からないですが、以前私の医療訴訟に関する記事で問い合わせしてくださったAさん、メールアドレスが未記入だったので返信できていません。もし読まれていたら再度問い合わせフォームにご連絡をください。




記事のネタ

長く続けるためには、その分たくさんの記事を書く必要があります。記事のネタ探しはどのブロガーにとっても課題の一つです。


私が思うネタ探しのコツです。


まず臨床での疑問、いわゆるクリニカルクエスチョンです。臨床の疑問て、実はみんなが分からないと思うことってある程度似たり寄ったりなのかなーと思います。


みなさんも、臨床で困ったことをまずネットで調べることって多くないですか??


そこに納得できる情報がなければ、論文を検索したり、書籍で調べたりの流れだと思うんですよね。


昔は携帯でネット検索なんてできませんでしたから、今はすごく便利な時代だと思います。


ネットで調べても欲しい情報がなければ、自分なりに調べ、考察した情報をブログで発信すれば、同じセラピストには価値のある情報になると思います。


この記事作りが、自分の勉強にもなるし、副業としても成り立つ非常に良いループだと思ってます。


あとは、自分の好きな分野・得意な分野をブラッシュアップしていくことも、記事としてまとめやすいと思います。

ブログの今後

Googleの検索アルゴリズムの変化によって、医療・健康系ブログはかなり厳しくなったと言われています。


私自身は、そもそものPVがさほどでもないので、それほど大きな変化は感じてはいないですが。


今後も、定期的に検索アルゴリズムは改変されていきます。その改変が、セラピストブロガーにとって良い方向に変わる可能性はほとんどないと思います。


ただ記事の内容やワード次第では全くチャンスがなくなったわけではないので、興味のある方はチャレンジしてみてはどうでしょうか。


高齢者×リハビリ×靴。シューズ選びの注意点とおすすめシニアシューズ。

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何気なく、シューズショップを歩いているとリハビリ専用シューズのような商品があり、ちょっとしたコーナーまで設けられてました。


たしかに、靴選びも結構大事ですもんね。高齢者の方が履いている靴って、かなりの割合でサイズがあっていない方が多いように思います。


改めて靴選びって大事なんですよね。今日はそのあたりを少し書いてみます。

高齢者の靴事情

最初にも少し書きましたが、高齢者の方の靴のサイズって不適合な場合が結構多いです。


特に入院患者にもなると、家族の人が「とりあえずなんとく買ってきたであろう靴」を履いている方も度々見ます。


自分の親の足のサイズなんておそらくほとんどの人が把握していないので、本人にサイズを聞くか、だいたいのサイズをあてずっぽうで買ってくるようなパターンが多いのかなと思います。


ここでまず1つ注意点。ほとんどの高齢者は自分の足のサイズを正確には分かっていません。これは研究でもはっきりと結果が出ています。


そして、足の実寸より大きいサイズを自分の足のサイズだと誤認していることが多いです。足のサイズを誤認しているのは、若い人にも結構多いですが。


結果的に、せっかく買ってきた靴は実寸より大きい靴になってしまうんです。買い替えるほどではないので、そのまま使用するというパターンが多い印象です。




不適合の影響

サイズの不適合がどのような影響をもたらすか。


靴の中で足が滑るので、足の指の変形や擦り傷などの原因になることがあります。


糖尿病の方などは、指先などの末梢の血流が著しく悪いので、ちょっとした擦り傷でもなかなか治りにくいです。最悪の場合、壊死してしまい切断に至る場合も少なからずあるので要注意です。


あとは、少しでも靴の中で足が滑らないように無意識的に指を握りしめて踏ん張るパターンもあります。


これもリハビリの歩行練習には悪影響をもたらすことが多く、注意が必要になります。


不適合のために起こる足部障害(指・爪の変形など)は、片足立ちの時間の減少などにも影響を与えます。


つまり、足部障害はバランス能力の低下につながってしまい、転倒のリスクを増やしてしまう可能性があるということですね。リハビリ関係なく、元気な時から靴のサイズには注意してもらいたいですね。

足の指のタイプ

足の指にもタイプがあることってご存知ですか??


指のタイプによって、足のサイズの計測方法も異なるので、自分の指のタイプを知っておくことも大事です。


足の指のタイプはエジプト型・スクエア型・ギリシャ型の3つのパターンに分けられます。


名前だけ聞いても全く分かりませんよね、写真で説明します。

スクエア型
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親指、人差し指、中指の長さがほとんど同じタイプはスクエア型です。


足のサイズの測り方は、踵から人差し指を結ぶ線の長さが足のサイズになります。


ギリシャ型
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人差し指が一番長いタイプはギリシャ型です。


ギリシャ型も足のサイズは先ほど同様、踵から人差し指までの長さになります。

エジプト型
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親指が一番長く、小指側に行くにつれて順々に短くなるタイプはエジプト型です。


足のサイズの測り方で注意点が必要なのが、エジプト型。

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前の2パターンに比べて親指が一番長いので、踵から人差し指を結ぶ線の延長線と親指からの垂線が交わった点が正しい足のサイズとなります。


足の指の形にパターンがあることも結構知られていないので、改めて自分の形を知ったうえで適切なサイズの靴を購入してください。




選ぶ際の注意点

患者様の状態にもよりますが、歩く練習をされているのであれば、あまりに靴底が柔らかすぎるタイプの靴はおすすめしません。


最近は、入院患者用に室内履きの名目で靴底(アウトソール)が柔らかいタイプがよく売られています。実際に当院の患者様でも履いている人もいます。


軽量な点はメリットかもしれませんが、アウトソールが柔らかすぎる(スリッパレベル)と靴自体の固定性に欠けてしまいます。


アウトソールには足底の機能を補助する役割もあります。足底の機能が低下した高齢者ではスリッパのような極端にアウトソールのない靴は、バランスや歩行にも悪い影響をもたらします。


有名ブランドのアシックスがシニア向けのシューズを数種類販売しています。その靴を見ても、アウトソールにはかなりこだわりを持って作られているのが分かります。やっぱりアウトソールって重要なんです。

セラピストに相談

迷うことがあれば、リハビリのスタッフに相談してもらうのが一番かと思います。


脳卒中の患者様の場合など、足に装具をつけてリハビリすることもあるので、経過によっては装具をつけた状態ではける靴の購入をお願いすることもあります。


その場合は、せっかく購入してもらった靴が無駄になることもあるので、やはり事前に確認しておく方が無難です。


あとは、靴の着脱の際に、高齢者では座ったまま足元まで手を伸ばすことが難しい方もいらっしゃいます。


そのような場合は、マジックテープなどがついてなく足元に手を伸ばさなくても脱ぎはきできるデザインの靴の方がおすすめです。

おすすめシューズ

アシックスのライフウォーカーシリーズでは、「母指に優しい」「膝に優しい」「脱ぎ履きしやすい」などの目的に合わせて選べれるようなラインナップになっています。


高齢者では指の変形で外反母趾になっていることが多いこと。膝の軟骨が摩耗し変形性膝関節症により膝の痛みが生じやすいこと。靴の脱ぎ履きが難しくなりやすいこと。


これらのよく見られる問題に対して、それぞれに特化した機能性・デザイン性を持ったシニアシューズを販売しています。


毎日使うものなので、自分に適した良いものを使用することをお薦めします。


【必見】呼吸療法認定士 vs 呼吸ケア指導士。違いを比較して検討しましょう!

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医療従事者の呼吸に関する資格として、3学会合同呼吸療法認定士と呼吸ケア指導士があります。


私自身は、3学会合同呼吸療法認定士の資格しか持ってはいませんが、呼吸療法認定士と呼吸ケア指導士の資格についての相違点などをまとめてみたいと思います。


近年、医療従事者のためのキャリアアップがいろいろと用意されてきています。医療業界の中で、生き残っていくことや、給料アップ、昇進を考えると、少なからず資格取得によるキャリアアップが頭の中に思い浮かぶのではないでしょうか??


私自身も、呼吸療法認定士の資格を取ったのは、まさに自分の将来が不安だったからです。


国家資格としては理学療法士の資格を持っていますが、果たしてそれだけで将来十分に家族を養えるのだろうか、リストラなどの危険を考えると、他の人にはない「何か」が必要と思いました。


私の場合は、その「何か」は技術ではなく資格という表面化しやすいものを選びました。


もちろんセラピストの技術を高めることで、他のスタッフとの差異は見出せると思いますが、それが上層部であったり、転職の際に形にできるかといえば、少し不確かなものになってしまうのかなと考えています。


なので、まずは資格を優先しました。


理学療法士は毎年1万人近いペースで増えていっていますからね。そのあたりの記事も書いてますので参考に。
physicalkun.hatenablog.com


では、具体的な呼吸療法認定士と呼吸ケア指導士の相違点についてまとめていきます。


2017年9月12日に公開した記事ですが、2019年3月10日に新しい情報を追加・修正して再度公開しています。

歴史は?

呼吸療法認定士の資格制度スタートは1996年。20年以上前から呼吸に関する専門性の重要性を説いていたんですね。


呼吸ケア指導士に関しては、2013年4月から導入された資格なので、まだまだ歴史は浅いですね。

認定者数

呼吸療法認定士に関しては毎年、3000人前後の資格取得者が出ているようで、2016年までの合計で43.463人に至っているみたいです。


また年々増加傾向にあるようですね。もしかしたら、今後少し難易度調整により合格率の調整が行われるかもしれませんね。現に、それまでは合格率は60%台でしたが、2016年の合格率は60%を切っていました。たまたまかもしれませんが、2017年度の合格率も気になりますね。

※追記2019.3.10
2018年までで合格者総数は50.186人になっています。依然として毎年5000人程度が受け、約3000人が合格しています。合格率は50後半~60前半を推移しています。


呼吸ケア指導士に関しては、まだまだ始まったばかりなので今後の増加に期待といったところでしょうか。


ちなみに、認定者リストから分かる範囲でまとめると2013年が認定者326人、2014年が167人、2015年が43人、2016年が91人でした。


ただこのリストには個人名が記載されているので、もしかしたら資格取得者でも個人情報の観点からリストへの記載を拒否されている方もいるかもしれないので、正確には分かりません。

追記2019.3.10
2017年は138人が新たに認定されていました。学会員の総数も年間500人前後ずつ増えており、現在は2017年時点で4.453人になっています。




認知度

やはり資格取得に際して、その資格の認知度は気になるものです。あまりにマイナーなものを取得しても、キャリアアップにつながらない可能性もありますもんね。


認知度の比較はなかなか容易ではありませんが、参考値としてグーグルでの検索ヒット数で比較してみました。


「呼吸療法認定士」の検索数は、147万件。「3学会合同呼吸療法認定士」の検索数は、13万件でした。日常的にも、やはり3学会合同は省いて使うことが多く、呼吸療法認定士で十分に周知されているみたいですね。


さて、「呼吸ケア指導士」での検索数は、37万件でした。


制度開始が違うので、単純比較は当然できませんが、呼吸ケア指導士も徐々に認知度があがってきているのではないでしょうか。


追記2019.3.10
「呼吸療法認定士」の検索数387万件、「3学会合同呼吸療法認定士」は16万件、「呼吸ケア指導士」は332万件でした!呼吸ケア指導士の伸び率がハンパないですね、おどろきの結果でした!!

受験資格

呼吸療法認定士の資格を取得できるのは、臨床工学士・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士が一定の臨床での経験年数に達すると、受験資格を満たします。


呼吸ケア指導士の資格を取得できるのは、医師・歯科医師、看護師・准看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士・管理栄養士、薬剤師、言語聴覚士、歯科衛生士、臨床工学技士、臨床検査技師、介護福祉士です。


呼吸ケア指導士の方が、かなり間口が広いですね。個人的には呼吸療法認定士の方でも、言語聴覚士の受験資格も検討してもいいのではと思っています。


まぁ以前は作業療法士も受験資格には入っていませんでしたからね、言語聴覚士も今後追加されるのではと思っています。

難易度

このあたりからこの2つの資格の大きな違いが出てきます。


呼吸療法認定士は認定講習会受講後、認定試験を受けます。そこで合格点に達すると晴れて呼吸療法認定士の資格が取得できます。


認定試験の合格率はだいたい60%前後です。ただ、認定講習会の募集要員に対して、申込者数が圧倒的に多いため、認定講習会の参加申し込み自体もハードルが高いです。


特定記録郵便での申し込みとなりますが、要は先着順のように理解してもらえばいいかと思います。例年、参加申し込みの受付開始時間から30分ほどで募集要員に達する感じじゃないですかね。


呼吸ケア指導士に関しては認定試験がありません。資格取得に関しては、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会に入会して3年以上経過していることと、入会以降に研修単位を50点以上取得していれば、学会に申請することで資格取得が可能です。


うーん、正直呼吸ケア指導士の資格取得に試験がないのは、いかがなものかと思ったりします。資格を名乗るからには、ある一定以上の知識がないと学会全体のレベルにも関わってくると思うんですよね。


単位取得の講習会は、以前はかなり少なかったので取得自体も大変だったようですが、徐々に講習会の数も増えているようなので、少し楽になったと思います。




資格取得にかかる費用

呼吸療法認定士に関しては、まず8月ごろの認定講習会の参加費用が2万円です。会場は東京で2日間の講習なので、そこらへんの交通費・宿泊費も必要ですね。


11月にある認定試験の費用が1万円、同じく会場は東京です。


せめて認定講習会だけでも、東京と大阪の2ヶ所で行ってくれたらかなり楽なんですけどね、、、。


さて呼吸ケア指導士に関してです。3年間学会に所属する必要があるので、年会費1万円×3年で3万円です。


単位取得後、認定審査を受ける必要があるので、認定審査料1万円が必要となってきます。

資格維持のための更新

呼吸療法認定士は、5年ごとの更新が必要です。更新のためには5年間のうちに、研修会などに参加して50点以上の単位を取得しておく必要があります。


内容を問わなければ、各都道府県で年数回ほど単位取得可能な研修会が行われているのではないでしょうか?


ただ、自分が興味のある研修会内容となるとあまり頻度は多くないかもしれません。特にリハビリに関する研修会はあまりないように感じます。


なので、常にアンテナを張って、興味がある研修会を見つけないといけません。とりあえず内容に関わらず単位取得だけならそれほど大変ではないです。


単位取得のための研修会の参加費と更新料3500円が、必要となります。


呼吸ケア指導士に関しても、5年ごとの更新が必要です。更新のためには、学会に継続して入会しておく必要があるため、毎年年会費の1万円を納める必要があります。


あとは、研修会参加によって50点以上の単位を取得する必要があります。それらの条件を満たしていれば、認定更新料1万円を振り込めば更新可能となります。


5年間ごとの更新や、更新にあたっての研修会の単位取得などは似通っていますね。ただ大きく違うのが、呼吸ケア指導士は学会に入会して入会費を払い続ける必要があるという点ですね。


以上が、呼吸療法認定士と呼吸ケア指導士の比較です。資格取得を検討している方の参考になればと思います。


本日も最後までお付き合いありがとうございました。


新ガイドラインで臨床実習生を担当してみた!注意した点と今後の課題。

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厚生労働省が作成する理学療法士・作業療法士養成施設指導ガイドラインが改訂され、臨床実習のあり方に大きな変化がもたらされました。


特に大きな変化として、1週間の臨床実習時間が40時間以上45時間以内に変更された点です。


ガイドライン変更後初めての実習生を担当する機会があったので、実際にどのように取り組んだか、感想などをまとめてみます。

ガイドライン変更

ガイドラインが変更され、実習施設自体も今後準備していかなければなりません。


臨床実習担当者が臨床経験5年以上かつ臨床実習指導者講習会を受講していないと実習生を受けいれることができなくなります。この変更は、まだ猶予期間が設けられていますが。


ただ、もう一つの大きな変更点。「1週間の臨床実習時間が40時間以上45時間以内」は、今後行われる臨床実習に適応すべきとのことなので、早急に職場で周知せねばなりません。


この「臨床実習時間」には、自宅での学習時間も含まれます。1日8時間病院で実習を行うと、自宅で課題を行う時間は1時間になってしまいます。


自己研鑽による学習時間は、臨床実習時間に含まれません。あくまで課題を行う時間が実習時間に含まれます。自己研鑽と課題の明確な線引きが難しく、この部分が現場レベルでのもやもや感が否めない原因でしょうね。




学生へのオリエンテーション

新しいガイドラインで初めて学生を担当させてもらいました。


実習の前からガイドラインの変更の情報は把握していましたが、実際にどのように対応していくのかリハビリテーション部内で十分に検討する間もなく、実習が始まってしまいました。


とりあえず私はSVだったので、CVと相談し、症例レポートは課題として扱わないことを決めました。


養成校自体も症例レポート作成は、実習後に作成する期間を設けているため、実習中に完成させる必要はないとのことでした。


なので学生に伝えた内容としては、症例レポートは実習中の課題としては扱わないこと。


もs実習中に作成してバイザーに提出するのであればレポートに関しても指導は行いますよー、ただしレポート作成にかかる時間は実習時間に含まれない自己研鑽として扱ってくださいよー、の形で伝えました。


学生には、大人って大変なんだなって顔をされました、、、。大変なんです。


病院としての課題は、デイリーノートとケースノートの2つを説明しました。


当院の方法では、ケースノートが担当ケースに関する評価や治療見学の記録、担当ケース以外の治療見学や治療に関する学習内容をデイリーノートに記載するような形で使用しています。


デイリーノート、ケースノートを作成する時間を病院にいる間に設け、基本的に病院にいる間に課題を終了させる方針としました。

臨床実習の実際

さて実際に行ってみると、だいたい4時ごろから学生にはその日の課題を行う時間を与え、6時の定時には速やかに帰ってもらいました。


1日のスケジュールで見ると、CVがケースの症例を治療する場面の見学(1時間)、学生さんがケースの患者を評価・治療する時間(1時間)、CVがFBする時間(1時間前後)、SVがFBする時間(30分前後)、当日の課題を行う時間(1~2時間)


1日の実習時間の半分程度がこれらで埋まってしまうんですよね。


うちの病院ではまだクリニカルクラークシップは導入できていないこともあるのかもしれませんが、せっかく臨床に来ているのに実際の臨床の場を見学・体験する機会があまりに短すぎる。


患者の治療を見学してもらい、学生と治療内容について話し合いますが、やはり知識不足は当然あります。


最低限の知識を押さえていなければ、今までの実習生であれば「帰って調べてデイリーにでもまとめてきて」と言っていたんですが、今は違います。


課題にせずその場で一つ一つ教えていくようにしています。でも、人から答えを教えられることより、自分なりに考察して調べたことの方がよっぽど知識にもなるし、忘れにくいと思うんですよね。


実習時間を制限することが、本当にどこまで学生のためになるのか、甚だ疑問です。


実際に学生自身からも、「もっと課題出してもらって構いません」みたいなことを言われました。


おそらく今までの実習を経験した先輩から、実習の厳しさを教わっていたと思うので、いろんな意味で複雑な感情があるのかもしれませんね。


学生が進んで自己研鑽で勉強したくなるような関わり方が望ましいですかね。




課題の定義

実際に実習生を担当して、やはりせっかく臨床に来たのであれば色々と見学・体験をしてもらいたいという気持ちが強いです。


じゃあどうやってその時間を捻出するか。


当院の個別担当制では、どうしてもケースノートは必須になってしまうかと思います。


症例レポートも書かない、ケースノートも書かない、になってしまうと学生がケースについてどのように解釈し理解しているかの確認ツールがないんですよね。


デイリーノートに関しては、いっそのこと失くしてしまってもいいのかなと思いました。デイリーノートは学生の自己研鑽として扱い、書いてきたことに対してはフィードバックする。


課題がケースノートだけになれば、その分の実習中の課題作成時間も短縮できるので、臨床場面の見学に時間を費やせそうです。

実習生を担当して

ものすごく学生が尊重された実習スタイルになったなぁと思いました。


家での課題の勉強時間も1時間程度ですからね。養成校の先生とも個別で少し意見交換しましたが、実習以外の普段の学内教育でも自宅での勉強時間が1時間なんてことはないと話されてました。


やはり、自分で試行錯誤しながら勉強することが学生自身のためにもなると思うんですよね。


最近は、学生の質の低下が感じられ、ひいてはそれは新入職員の質の低下につながります。


このままいくと、再来年度の新入職員あたりから、実習スタイルの変更のツケがきそうな気がしています。


度が過ぎた負担を強いるような実習は時代遅れだとは思いますが、実習・学生の質の維持を図るにはもう少し方法論を検討してもよいのかと思いました。


適性検査・性格診断。自分を知ることって就活中、おじさん、どの世代でも大事。

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数年前から理学療法科の科長として、職員採用試験の面接に同席するようになりました。


優秀な人材を見つけることはもちろんですが、個人的には一定の能力に満たないと思われる人材をふるいにかけることが命題だと思っています。


ただ面接だけでは、人物像をつかむことが難しいし、個人の主観的な判断になってしまい、客観性に欠けてしまうことが課題と考えています。


面接による主観的な印象も大事ですが、最近は適正検査・性格診断がすごく大事な要素だと思っています。


今日はそのあたりについて、考えを書いてみます。

面接試験

私が入職希望者と関わる機会は、「施設見学」と「就職試験の面接」の2回です。


と言っても、私自身が直接面接の合否に意見をできるほどの権限はなく、ほとんどが病院幹部とリハビリテーション部の部長とが話し合いの末、合否を決定しています。


まぁ実際は、人材確保のためよほどの問題がない限り採用してるのが現状なんですが、、、。


個人的には、やはり2回の関わりではなかなか十分にその人の内面まで把握するには至りません。


ほとんどの人が少なからず緊張していることもありますし。


ただ、なんとなくの印象ですが、「この子はあんまり伸びそうにないなぁ」程度は分かるようになってきました。実際に入職した後の経過を見ても、印象通りの割合が結構多いです。


でもあくまで主観なので、この程度の意見ではやはり合否にまでは影響を持たすほどではないんですよね。




適正検査・性格診断

最近興味があるのが、適正検査・性格診断です。


一般企業、特に大手では当たり前のように導入されていますよね。病院でも公立病院などでは導入されているところもあるのではと思っています。


最近は中小企業での導入も進んでいるようで、費用はもちろんかかりますがそれだけの費用対効果があるということなんでしょうね。


具体的なテストでいうと、SPIが有名でしょうか。本屋でも対策本などをよく目にします。


性格特徴・職務適応性・組織適応性が分かると言われています。


本当にこんなテストで人となりが分かるの?と思う方もいるかもしれませんが、結局は統計学なので、やはりデータ上は信頼性が高いものになると思います。


実際に多くの有名企業が取り入れていることからも、有効性が認識されているんでしょうね。


当院でもSPIを導入できれば文句なしですが、なかなかそこまでの経費をかけるまでには至らないとは思っています。


参考書から数十問程度抜粋したものを受けてもらい、参考値程度に使用できるだけでも、今までとは違った流れができるのかなーと思っております。


おすすめツール

調べてみるとSPI以外にも結構種類はたくさんあるみたいです。


SPIは残念ながら無料では利用できないようです。


ネット上で無料で利用できたものを少し紹介します。


①YG(矢田部ギルフォード)性格検査。

ネット上で無料で利用できるツールがあります。質問に対して〇・△・✖で選んでいく形式です。


精神的安定や社会的適応、衝動性、主導性などの分析を得られます。


②グッドポイント診断。

リクナビに登録(無料)が必要ですが、なかなかのクオリティーの診断テストが受けられます。


登録した後も、設定次第ではダイレクトメールなどもほとんど来ないので特に不都合はないです。


18項目から自身の特性について分析を受けられます。



自分を知る

入職希望者を検査で分析することももちろん大事ですが、改めて自分の適性・性格ってどうなんだろう?とふと思いました。


もうおじさんと呼ばれる領域に足を踏み入れた感はあり、「まだ自分探しやってんの?」と思われそうですが、自分で思う自己分析と一般ツールの分析って合致しているのかなーと思うんですよね。


あと、年齢を重ねることで変わっていく部分もあるし、役職・仕事内容で変わってくる部分・求められる部分、いろんな要素があると思うんですよね。


今の自分の現状、そして自分の課題を改めて客観的に考えるツールとして適性検査・性格診断って利用できるのかとも思いました。

やってみた結果

YG性格検査とグッドポイント検査を実際にやってみました。


特にグッドポイント検査は、問題数が多いですがそれだけ色々な角度から分析することができ、改めて「今の自分」を知ることができました。


自分の今後の方向性を考えた際にも、どの部分を意識するか、少し考えるきっかけにもなりました。


手続きも簡単ですし、分析結果もすぐ出ます。少しでも興味のある方には是非おすすめです。


SPIも受けてみたいんですが、無料では無理みたいですね。ネット受験も可能なみたいで、4000円で性格検査・基礎能力なども含めた分析を受けることができるみたいです。


興味のある方はぜひ調べてみてください。


発達障害に悩む人は要チェック。症状改善のキーワードは「脳腸相関」

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「脳腸相関」について、以前別の記事でまとめさせてもらいました。


脳腸相関について、調べていく中で気になる研究が。それは発達障害と腸内環境の関係に関するものです。


私は理学療法士として病院に勤めており、発達障害(主には発達性協調運動障害)を持つ子供に対してリハビリを行っています。


ただ、今まで発達障害と腸内環境についての知見は聞いたことがなく、これは新しい可能性を感じましたので、まとめてみます。


子供の発達障害で悩まれているご両親の方は、ぜひ読んでみてください。

脳腸相関とは

読んで字のごとく、脳と腸がお互いに影響しあっていることが最近の研究で分かってきました。


脳⇒腸はなんとなくイメージが湧きますよね。ストレスなどが溜まると、食欲不振になったり、腸管の異常運動で腹部症状が見られたりします。


腸⇒脳への作用が最近分かってきたことです。


ヒトの体内には数百兆個の細菌が存在していますが、その大部分の90%が腸内に生息しており、これを腸内細菌叢と呼びます。


テレビや雑誌でよく聞く腸内フローラは腸内細菌叢の言い回しの違いで、内容は同じです。


ヒトの血液中の小分子量の36%が腸内細菌叢が関与しているとの報告もあります。全身を巡る血液にそれだけの関与があるのであれば、腸内細菌叢が身体にさまざまな影響を与えることはなんとく想像できますよね。




発達障害とは

発達障害とは、脳機能の発達に関係する障害です。


一言に「発達障害」といっても、その特性・症状は非常に個人差が多く、環境などによっても大きく変化します。


主な発達障害として、自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(Learning Disability:LD)、発達性協調運動障害(DCD)に分類されます。


分類はされますが、複数の障害が重複することもあったり、本当に多種多様な症状が観察されます。


発達障害の原因は不明で、先天的な脳機能の障害で発達に偏りが見られるという考え方が現在では主流となっています。


今までは「親のしつけがなってない」で済まされていた子供も、もしかしたら発達障害の可能性も考えられます。


個人的にはもう少し発達障害に対する理解が一般の方にも広がってほしいのと、学校の教員の方にも理解を深めてほしいと思っています。

発達障害と腸内細菌叢

さて、ここからが本日のメインです。


発達障害の中で、自閉症スペクトラム(ASD)には消化器症状を併存する頻度が高いことが報告されています。


報告によると、ASDの子供の24%に少なくとも慢性的な消化器症状(下痢、便秘、腹痛・腹部不快感)があり、一番頻度の高い症状は下痢であったとの結果があります。


ASDの子供を、消化器症状のあるグループないグループとで比較すると、苛立ち、多動、社会的引きこもり、常同性などの行動障害や不安症状が、消化器症状のあるグループのほうが顕著に見られたとの報告もあります。




マウスでの研究結果

人工的に腸内細菌をなくした無菌マウスと、通常のマウスをさまざまな面から比較した研究もあります。


まずストレスに対する耐性。無菌マウスの方が、ストレスに対する耐性が低いことが分かりました。


マウスの行動パターンの比較。無菌マウスの方が明らかに行動範囲が広く、過活動性が認められました。


不安関連行動の比較。無菌マウスの方が不安症状が強いことが観察されました。


これらの結果から、腸内細菌叢がストレス耐性、多動症、不安症状など精神・行動障害に影響を及ぼす可能性があることが分かりました。


やはり腸内細菌叢ってすごく大事で、脳腸相関の考えも非常に興味深いです。

症状改善のために


少し整理すると、腸内細菌叢がストレス耐性、多動症、不安症状などと影響があること。


ASDの子供では、消化器症状を有する子供が明らかに多く、健常者とは異なる腸内細菌叢であること。


これらのことを踏まえると、ASDの子供の腸内細菌叢を改善させることができれば、主症状(多動症など)を軽減させる可能性は大いに考えられます。


腸内細菌叢の形成は一般的に生後数日から1週間で、その人の腸内細菌叢の原形が形成されると言われています。


ただ、これは原形であり、その後一切変化しないというわけではありません。一切変化しないのであれば、これほど腸内細菌叢(腸内フローラ)が注目されることはないですから。


研究でも、ビフィズス菌を含む乳製品を長期的に摂取することで、腸内細菌叢の細菌の種類や割合が良い方向へ改善する変化が見られたとの結果も出ています。


まだ研究で可能性が考えられている段階の話ではありますが、もしお子さん等でASDによる多動症や不安症状に悩まれている方は、乳製品の摂取を検討しても良いかと思います。


まぁ乳製品の摂取自体デメリットはないと思いますし、そもそも体にも良いものですしね。


この知見を知ってからは、私が担当している小児リハのご両親にはすべて説明し、乳製品の摂取をおすすめしています。


まだまだ発達障害と腸内細菌叢の関係性は十分ではありませんが、今後も勉強していきたいと思います。